目次
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ー 女王と並んで競馬観戦を
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ー 上皇ご夫妻は“特別扱い”だった
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ー フィリップ王配と同じように……

「命ある限り、私はこの身を捧げてあなた方の信頼に応えられるよう努めます」

 イギリスのエリザベス女王が即位の覚悟を国民に対して、そう語られたのは1953年の戴冠式。それから約70年後の9月8日(日本時間で9日未明)、みなに愛された女王は96歳で大往生を迎えた─。

女王と並んで競馬観戦を

「滞在先だったスコットランドのバルモラル城で息を引きとられました。70年と7か月に及んだ在任期間は、イギリスの歴代君主として最長。世界に照らしてみても、フランスのルイ14世に次いで、史上2番目の長さでした」(一般紙記者)

 お亡くなりになる2日前にはトラス新首相を任命していただけに、今回の突然すぎる訃報は、イギリス国内にも大きな衝撃が走った。

「バルモラル城の前には多くの人々がつめかけ、イギリス国歌を合唱するなど、国民の幸せのために尽力してきた女王の生涯をたたえていました。この城は'21年に亡くなった夫のフィリップ王配がエリザベス女王にプロポーズした場所で、ハネムーンでも訪れています。女王は、生涯支えてくれた亡き夫との思い出の地で最期を迎えられたのです」(英王室ジャーナリスト)

 イギリス王室と日本の皇室には、半世紀以上にわたる深い関わりがある。とりわけ、女王との関係が深かったのは上皇さまである。

「'53年6月の女王戴冠式に、日本からは昭和天皇の名代として上皇さま(当時は皇太子さま)が参列されています。上皇さまは、初対面の女王と英語でご懇談。イギリス国内では第二次世界大戦で敵国だった日本に対して強い嫌悪感が残っていましたが、女王はあたたかく迎え入れました。

 戴冠式の数日後、上皇さまが『エプソン競馬場』で競馬を観戦されていたところ、女王の使いが陛下の元へ。“よろしかったら女王のスタンドで第2レースをご覧になりませんか?”とお誘いがあり、隣のスタンドで女王と並んで観戦され、交流を深められたのです」(宮内庁OB)