信用すべき基準値、そうではない数値

 健康診断・人間ドックを受けると検査結果を受け取る。そこには“基準値内”や“異常なし”、“要精密検査”などが記されている。

そのような検査で出る数値の多くは、ここまで説明した方法で簡便に求められたものです

 以下は健康診断で検査される“メジャー”なものに絞って解説する。まずは身長と体重から測定できるBMI(肥満度を表す体格指数)だ。健康だけでなく、“見た目”にも直結するので、気にする人も多いだろう。

「BMIと死亡率の関係性を、10年間、追跡調査したアメリカのデータがあります。まさに理想的な基準値を求めたもので、大変まれな調査の1つ。ざっくり言うと、BMIが高すぎると死亡率は上がり、また逆に低すぎても死亡率が上がっている。注目は、日本のメタボ健診(特定健康診査)ではBMI値は25を超えると肥満としている点です

メタボに関する日本の基準値は、厳格なデータに基づいていない(写真はイメージです)
メタボに関する日本の基準値は、厳格なデータに基づいていない(写真はイメージです)
【写真】健康診断の数値には気にする必要のない異常値がある?

 アメリカのデータを見ると、いちばん死亡率が低かったBMI値は24。日本におけるメタボ基準である25、そこから27程度までは、死亡率は多少、上がっているものの、“急激”に上がるのはデータによれば28からとなっている。

日本の基準値は、厳格なデータに基づいていない。これはあくまでBMIだけで死亡率を考えたものですが、私は患者さんには26程度まででしたら、“ほかに病気がなければ無理に痩せることはないですよ”と言っています。BMIは身長と体重の数値だけで簡単にわかるし、しっかりした将来を考慮した研究データもあり、無視してはいけない大事な数値になりますね。上がっているなら放っておいてはいけない

 体脂肪や腹囲という指標もある。

「体脂肪は正確に測るのが難しく、腹囲のほうが大事といわれています。しかし、腹囲の数値と死亡率との関連性を調べたところ、BMIのような“いくつくらいから死亡率が上がる”というグラフにならない。バラバラで、腹囲が大きいからダメだというデータにならないのです。つまり将来の健康状態には関係ないということです