過去には、一足先に芸能界でスタートとなった兄と比較されてしまい、悩んだこともあったが、幼いころから現在でも良好な関係を築けているという。

赤西仁とは関係良好

「今回のミュージカルに関しては自分からは報告してなくて。“決まったんだね”“お互い頑張ろう”っていうのは連絡し合いました。

 やっぱり彼はアメリカにいて離れているんですけど、家族ですし、お互い芸能生活も長くやっていることもあって、気持ちとして以心伝心している仲ではあると思っています。最近は全然会えてはいませんね、俺のこと覚えてるかな……たぶん覚えてるとは思うんですけど(笑)」

 自らの実力だけを頼りに、主演という重圧にも挑んだ今作。台本も擦り切れるほど読みこなした。

「よく“台本は擦り切れるくらい読め”って言われてたんですけど、毎日読んでたら、自然にボロボロになっちゃって。でも、単純に台本を読んでいるだけでこの作品は面白いんですよね。

 狸が人間になったり、人間が狸になったりと、物語としてはファンタジー要素が織り込まれていますが。『ロミオとジュリエット』のパロディーも含まれていたり、他の有名作品へのオマージュもあったりして、いろんな角度から楽しむことができると思います。

 僕自身が作品のファンですし、この世界観を自分の力で表現しなければという責任感も大きいですね」

 10代から芸能の世界に足を踏み入れ、ひたすらに目の前の仕事に力を注いできたからこそ今がある。

「小さいころからアンサンブルをやらせて頂いたり、車で全国を周りながらアーティスト活動も行なったりして。今までの活動の中でちょっとずつ色んな経験をして、歳を重ねていって、今ここにいる。

 お仕事をしていると一期一会の出会いも多いんです。そういう出会いを一つ一つ大事にして、作品を噛みしめながら本番を迎えたいと思っています」

 兄の背中だけを追いかけていたころの彼はもういない。自らの道を歩み始めた赤西の今後に注目だ。