なぜ立て続けに発表があったのか

 King & Princeの平野、岸、神宮寺の退所発表が滝沢氏の退任直後になったのは、ネガティブな話は一気に済ませようとしたからだろう。同事務所のもう1人の副社長は芸能界屈指の凄腕広報マンである。ジャニーさん、メリーさんの時代から宣伝と広報を統括している。

 補佐役不在という滝沢社長の退任理由はKing & Princeの平野、岸、神宮寺の退所理由とも結びつく。退所発表の際、平野はこうコメントした。

「デビュー当時からジャニーさんとしていた夢、ジャニーさんとしていた約束、そしてファンの皆さんとしていた約束、“海外で活躍できるグループになること”を目指して頑張ってきました(中略)全力で取り組んだとしても“もう遅いな”と感じてしまい、目標を失い、今回の決断に至りました」

 所属タレントの海外展開を支援する補佐役も不在だったのだ。

 また、同事務所は男性アイドルにかけてはライバルの芸能プロの追従を許さないが、30代、40代、50代をマネージメントする芸能プロとしては成熟しているとは言い難い。滝沢氏はアイドル専門ではない芸能プロへの脱皮を目指したものの、やはり補佐役に欠けた。

 同事務所は組織を支える補佐役探しが急務だ。一方、滝沢氏が今後、新人発掘と育成、プロデュースの道を再び歩き始めるとしたら、ほかの芸能プロから引く手あまたである。

取材・文/高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)放送コラムニスト、ジャーナリスト。1964年、茨城県生まれ。スポーツニッポン新聞社文化部記者(放送担当)、「サンデー毎日」(毎日新聞出版社)編集次長などを経て2019年に独立。