“逮捕待ち”の帰郷

「ギャンブル好きではないし、女好きでも酒好きでもない。実家はアパート経営する資産家だから5500万円ぐらいすぐ返せると思うが、そんな大金を何に使ったのか見当もつかない」(前出の知人男性)

 日本マクドナルドに金の使途や内部調査結果、処分などを尋ねたところ、

「現在捜査中のため回答は差し控えさせていただきます。また時期は答えられませんが、平井容疑者はすでに懲戒解雇にしています」(広報担当)とのことだった。

 逮捕時は無職。内部調査を受けて解雇されるに至り、実家に戻るしか生活する術がなかったのだろう。いわば“逮捕待ち”の帰郷だった。

 どういった理由で大金を横領したのか、家族ならばある程度の事情を聞いているかもしれない。実家を訪ねて取材を申し込むと、母親が玄関ごしに「すいません」と言ったきり、その後は反応がなかった。

 容疑者は警察の取り調べに対し、

「勤務当時、店の売上金を横領しました」

 と容疑を認めているという。

 5500万円は、マクドナルドのハンバーガー(150円)に換算するとおよそ36万6666個分にあたる。店長を務めていたのだから、それだけ売り上げるにはどれほどスタッフらが汗をかかなければならないかわかるはず。地味な男が、大胆に仲間を裏切った犯行動機の解明が待たれる。