キモいを“愛され”に昇華させた出川哲朗

 今では国民的人気者のタモリと関根の2人。同じようにキモいを“愛され”に昇華させたといえば出川哲朗だろう。

「かつては“嫌いな芸人”、“抱かれたくない芸人”、“気持ち悪い芸人”ランキングの上位常連の出川さんでした。出てきた当初の出川さんは『ビートたけしのお笑いウルトラクイズ』(日本テレビ系)などに出演し、身体を張ったロケやドッキリ企画でのリアクションの面白さで引っ張りだこに。出川さんにならどんなひどいことをしてもいい、という流れすら感じられた。だけど'07年から始まった『世界の果てまでイッテQ!』でその流れが変わってきたんです。子どもたちから“一生懸命やる姿がカッコいい”などと憧れられる存在になった。キモキャラが一転して好感に変わったんです」(前出の元プロデューサー)

 アンガールズの田中卓志も同じだと前出の成田さん。

田中さんは話すときに口角に唾をためるといった視覚的に気持ち悪い部分と、客席にダイブするなど露悪的な部分がありますが、ご本人は広島大で建築を学んだインテリ。キモキャラが生まれたきっかけは、キモかわと言われていたころに、FUJIWARAの藤本敏史さんに“おまえ、キモいだけやん”と言われて凹んだこと。でもそれで終わるのはよくないと、ツッコミに反撃するために考えたキャラだそうです

愛されないキモキャラノンスタイル・井上裕介

井上裕介(ノンスタイル)
井上裕介(ノンスタイル)

 “嫌われキモ男”という不名誉な呼ばれ方をしたのは、NON STYLEの井上裕介(42)。『よしもとブサイクランキング』、『よしもとダサい男ランキング』などで数々の賞を総なめにした井上。それでもポジティブシンキングな“ナルシストキモキャラ”でブレイク。

「ポジティブ名言カレンダー『毎日ポジティブ』は'15年のカレンダー売り上げベスト10に入るほど人気に。井上さんのシャワーシーンなど思わず“キモっ”と言ってしまいたくなる写真がこれでもかと詰め込まれるとともに名言が書いてあるという日めくりカレンダー。キモいナルシストという新しいジャンルを切り開きました。

 今年、ひと回り以上年下の女性と結婚を発表した井上さんですが、彼はこれまでも数々の女性と浮名を流してきました。女の子にマメで優しくてスーパーポジティブ。モテないわけがないですよね

 そう語る前出の芸能記者は、続けてバナナマンの日村勇紀(50)についてこう指摘する。

「デビュー当初は歯並びが悪くガチャ歯でスキっ歯をいじられたり、マッシュルームカットに顎なしの姿が気持ち悪いなどと言われましたが、テレビ東京の『ゴッドタン』でヒム子というキャラクターを始めたあたりから“かわいい”と言われるように。私生活でも元NHKアナウンサーの神田愛花さんを射止めて、今では日村さんがキモキャラだったことを覚えている人は少ないかもしれませんね