常連店の店員も被告の証言に困惑

殺害された山中健司氏(左)と佐々木文俊被告(右)。常連店の従業員も「仲良く飲んでいた」と証言
殺害された山中健司氏(左)と佐々木文俊被告(右)。常連店の従業員も「仲良く飲んでいた」と証言
【写真】夫を殺害された“極道の美人妻”、組長と被告の“親密”写真など多数

 ただ、ユキさんが見ていない場面で、山中組長が佐々木被告を追い詰めていたのかもしれない。2人がよく通っていたという居酒屋の従業員に話を聞くと、

「えっ? 佐々木さんが、山中さんを刺したんですか? というか、暴力団員だったんですか? そんなバカな……」

 と絶句する。そして、2人のこんな様子を証言する。

うちにはよく来てくれていましたが、必ず2人は一緒でした。最初は仕事の話でピリッとした空気が漂うのですが、その後は楽しそうに飲んでいましたよ。学生時代のことや、お互いの子どものことを話してね。

 詳しいことはわかりませんが、会話の端々から感じたのは問題を抱える佐々木さんを山中さんが守っているような印象でした。お会計は山中さんが払うこともありましたし、割り勘のことも。常に佐々木さんが払うなんてことはなかった」(居酒屋の従業員)

 別の飲食店の店員も、

「必ず2人で来て、仲よく飲んでいましたよ。2人が何の仕事をしている人なのかは知りませんでしたが、お会計はいつも山中さんが払っていた印象です」

 と、証言した。

被告とは家族ぐるみの付き合い、プレゼントも

 ユキさんによると、事件の少し前にも、2人で仲よく飲み歩いていたという。

「事件の10日前には、私や子どもたちも一緒に食事をしましたが、佐々木は食欲もあって、思い悩んでいる様子は微塵も感じなくて……。

 佐々木は、夫が“俺のことはボスと呼べ”強要したと話しているようですが、佐々木自身が周囲に夫のことを“ボスと呼んでください”と言っていましたし、飲みの席で“お前の態度はボスに失礼じゃないか”と、佐々木は常に夫を立てようとしていたんです」(ユキさん、以下同)

「まったく事実と違います」と訴える、殺害された山中健司氏の妻・ユキさん(仮名)
「まったく事実と違います」と訴える、殺害された山中健司氏の妻・ユキさん(仮名)

 金銭的に困窮したような様子も見受けられなかった。

キャバクラ店などの売り上げはそれなりにあって、佐々木は潤っていたはず。なにより佐々木の家族も気にかける夫が、そこまで追い詰めるわけがないんです。家族ぐるみの付き合いで、私たちの自宅に招き、食事をする関係でした。

 逮捕されて連行される姿がテレビで報じられましたが、そのとき佐々木がかけている白フレームの眼鏡は、夫からのプレゼント。殺したいほど憎む相手からもらったものを、身につけますか?