住民税非課税世帯になるか、ならないか

 では、この壁の正体とは一体何なのだろうか? キーワードはずばり“住民税非課税世帯”だ。

「パート主婦の壁の場合は、収入によって夫の扶養から外れるかどうかが問題でした。年金の場合は、年金受給額によって『住民税非課税世帯』に該当するかどうかが問題になります」

 住民税非課税世帯とは、世帯の全員がそれぞれ一定の所得金額以下で、住民税が非課税である世帯などのこと。

「該当すれば、文字どおり、住民税の支払いがなくなるだけではなく、介護保険料や高額療養費の自己負担額なども安くなります。所得の少ない人にとって、とても心強い制度なんです」

 そんな制度は夫が会社員の自分には縁がないと思っている人も、夫が引退して年金生活に入ると話は違う。具体的にいうと、夫の年金が年211万円(月約17万5千円)以下、妻が155万円(月約13万円)以下だと、この住民税非課税世帯に該当することになる(地域や年齢にもよる。詳しくは後述)。

「夫は会社員、妻は専業主婦かパートをしていて、引退後の収入は年金のみ、というご夫婦であれば、当てはまる方は、けっこう多いのではないでしょうか」