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ー 「ラップで巻けば回復すると思った」
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ー いつも夕方ぐらいから出かけて…

「シャワーを浴びせた際、誤って熱湯をかけてしまった」

 2018年3月、神奈川県横浜市鶴見区に住んでいた無職の橋本佳歩容疑者(25)が、長女(当時3)に、背中の皮がめくれるほどの重いやけど(全治3か月)を負わせたときの言い分だったーー。

「そんなひどい症状だったのにも関わらず、容疑者は交際中だった同居人男性(当時21)とパチスロに出かけるなどして、3日間に渡って放っておいたようです。長女の背中から腰にわたるやけど部分にはラップを巻くというひどい処置だった」(全国紙社会部記者)

4年前、長女の虐待現場となった容疑者の自宅アパート
4年前、長女の虐待現場となった容疑者の自宅アパート

 事件が発覚したのは、容疑者の長男(当時5)のSOSだった。

「近所の人に“お母さんが帰ってこない。妹の皮が剥けちゃっている”と相談して、警察が容疑者の自宅にかけつけて妹を発見した」(同・社会部記者)

 神奈川県警鶴見署は同年3月5日、容疑者と男性が長女に必要な治療を受けさせず、自宅アパートに放置したとして、保護責任者遺棄の疑いで逮捕したのだった。

「その後、“イライラして娘を叩いてしまう”などと児童相談所に相談していたことが判明。児相も容疑者にネグレクト(育児放棄)や虐待の傾向があることに薄々気づいていたようですが、結果的に何もできなかった」(同・社会部記者)

「ラップで巻けば回復すると思った」

 横浜地方裁判所で行われた裁判で、橋本被告は、

「長女に“ごめんね”と伝えたい。子どもより自分を優先していた。ラップで巻けば回復していくと思っていた」

 などと述べていた。実はこのとき、すでに同居人男との間にできたと思われる3人目の子どもが生まれていて、

「3人とも引き取りたい。長女の手術は無事に終わって退院したと聞いて安心しました」

 と涙をこぼして訴えていた。

 2人の被告に対して同裁判所は同年9月4日、懲役2年、執行猶予4年の判決を言い渡したのである。

 だが事件発覚から4年が経過した1月11日、冒頭の供述がウソだったことが発覚する。