捕まってほしいという一心だった

「私も長年、中洲でホステスをしとるけど、この中洲で働いとる人同士のあいだで事件が起きて、犯人はあんな残虐な殺し方をして逃げとる。悲しいし、悔しいし、捕まってほしいという一心で、あんなことをしてしまった」

 被害者と容疑者、共に顔見知りでもなく、

「2人はほかの系列の別々の店で働いとったと聞いています。ママの名前は伏せるはずが、間違えてそのまま出ちゃって……。私のSNSも炎上しました」

 A子さんはダブルワークで懸命に生きる川野さんの命を無惨にも奪った容疑者がどうしても許せなかったのだろう。

 川野美樹さんはおよそ5年前、家族らと住む一軒家から徒歩10分の場所で、エステサロンを経営していたが、

「おそらくサロンが上手くいかんで、借金を作ってしまったのかも。それを返済するため、昼も夜も働いとったんじゃないか」(近所の住民)

 一方、容疑者は大阪府出身で、かつては大阪市福島区に実家があった。

「父親が大手運送会社に勤めていて、その社宅に住んでいた。せやけど、10年近く前に、父親が50代で亡くなってもうてな。それで社宅にはおれへんようになって、引っ越したんや」(社宅の住民)

 容疑者は実家を出ると、東京、鹿児島など転々とし、現在の飲食店に勤務するように。中洲から約500メートル離れた場所にある容疑者の自宅アパートは築19年、ワンルームで家賃月4万円ほど。同アパートの住民によると、

「たまに壁をドンドンと叩く音がしたとですよ」

 メンタルが不安定なところがあったのだろうか。容疑者のSNSには、こんな書き込みもあった。