「〇〇が見えすぎてつらいんです」

 アジア某国のツアーにて。目的地の国の神々に会いにいくという女性。“偉大なる存在”と交信ができると喧伝する。添乗員は「そうなんですか」とうなずくしかない。

 フライトが出発直前に変更され、目的地に着く前に他の国に1泊することに。早朝フライトのため宿泊先は空港そばのホテルとなった。するとその女性が「ここには悪霊がたくさんいて眠れない、熱が出てきた」と言い出した。

 確かにとてもつらそうだが、翌日早いため、病院には行かずに部屋で解熱剤を服用しそのまま休んでもらった。だが翌朝はしっかり定時に集合し、「私は〇〇の生まれ変わり」と同行のツアー客に話していた。

 目的の国に到着するとご機嫌になったものの、国内を移動中「私の部屋には子どもの霊がいる」「ここには〇〇の悪霊がいる」などという理由でつらいと言い出し、ツアーメンバーもだんだんと彼女から距離を置くように。

 あげくの果てには目的の観光地で「〇〇様、どうかご神託を〜」などと言ってひれ伏し、他の観光客も明らかに引いていた。神にすがりたいのは添乗員のほうだった……。

(構成/葉山エリ子)