目次
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ー “気持ち悪い”と不快に感じる人が続出のワケ
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ー 「何度もくり返される」不快要素

「突然だが、君にヘッドハンティングの話がある」「すべての未来は選ぶことから始まっている」

 パーソルキャリア株式会社が運営する転職サイト『doda X(デューダエックス)』のCM。昨年開催されたサッカーワールドカップの放送でもハーフタイムなどにくり返され、現在でも頻繁に流れている。メインで起用されているのは小栗旬。そして“転職に成功した例”として、宇宙飛行士の野口聡一(元・航空技術者)、片づけコンサルタントの近藤麻理恵(元・営業職会社員)、陸上競技監督の原晋(元・営業職会社員)が出演している。

 しかし、その“評判”が非常に悪い。

“気持ち悪い”と不快に感じる人が続出のワケ

《小栗がやってるdodaのCMまじで無理 人間の顔がどでかく映るの不快すぎる》

dodaXの“ドアップ”CMに出演する小栗旬(公式YouTubeチャンネルより)
dodaXの“ドアップ”CMに出演する小栗旬(公式YouTubeチャンネルより)

《doda XのCMが不快で不快で…ツイッターでも好意的な意見はほぼ見受けられないのに、流し続けるのはどこの策略?》

《dodaのCMホント気持ち悪いからやめて欲しい 顔を大写しにすな》

《テレ朝日本xコスタリカ戦でわかったことはdoda XのCMが気持ち悪いこと》
(以上、SNS上の声より)

 CMでは小栗ら出演者たちの顔が大写しされている。なぜこれほどまでに“気持ち悪い”と不快に感じた人が続出しているのか。

dodaXの“ドアップ”CMに出演する陸上競技監督の原晋(公式YouTubeチャンネルより)
dodaXの“ドアップ”CMに出演する陸上競技監督の原晋(公式YouTubeチャンネルより)

CMでモノクロ映像というのも珍しいですし、それがホラー映像を連想させ、また恐怖感を抱かせるようなものになっている。アップにしすぎているからか、特に近藤麻理恵さんや野口聡一さんが顕著ですが、すごく黒目がちに映ってしまっている。それが余計に恐怖感に拍車をかけている状況かと思います」

 そう話すのは消費者心理に詳しい関西大学の池内裕美教授(社会心理学)。

「また、高画質のため顔の毛穴まで目立ってしまっている。毛穴などは自分自身でもあまり見たくない部分かと思います。さらに魚眼レンズを使ったような撮り方で、すごく“迫ってくる”ような映像となっている。顔が大きく映った映像は気持ち悪く受け取られがちで、'13年の『Kis-My-Ft2』の『キスミント』のCMも同様に苦情の声が上がっていました」(池内教授、以下同)

『Kis-My-Ft2』の『キスミント』のCMは、黒い背景に、メンバーの“顔だけ”が大きく映し出され、それがキスする表情でグルグルと回転、そしてメンバーの顔が増殖……というものだった。

顔が迫ってくるような映像というのは、心理的に自分のパーソナルスペースが侵害されたような気持ちになってしまう人もいるかと思います。“これ以上近づかないで”という距離感は日常生活、社会においてもあると思いますが、それは映像においても同様でしょう