ファンクラブやCMで余裕の億超え

 年間売り上げ額は非公開であるものの、業界トップの1000億円以上に達していると芸能界内でささやかれている。なぜ、こんなにも売り上げが多いかというと、理由は単純。売れっ子が多いからである。

 ファンクラブのあるグループはKAT-TUN、Sexy Zoneなど17つ。世間一般から「誰、それ?」と言われるレベルのグループはない。すべて売れている。

 同じく個人は木村拓哉(50)ら3人。これだけ人気者がいると、事務所としては心強いだろう。テレビ局や映画制作会社に強い発言力が持てる。

 ファンクラブの年会費は4000円(1年目はプラス入会金1000円)。1個人、1グループに5万人ずつ会員がいたら、計100万人。年会費総額は40億円になる。グループのファンクラブ会員は5万人以上いるはずだから、実際の年会費総額はもっと上に違いない。

 もちろん本業の売り上げもある。CDやチケット、グッズの販売。さらに、テレビ、映画の出演料、CMの契約金など。1000億円以上の売り上げがあったとしても納得である。

 不動産以外の資産も「数千億円ある」(芸能事務所幹部)と言われている。財務面では超優良企業なのだ。ジュリー社長が芸能ビジネスへの関心を失わない限り、あるいは投資にでも失敗しなかったら、ジャニーズ帝国は崩壊するどころか、少なくとも10年先、20年先までは継続するに違いない。

 社会貢献度も芸能事務所の中では一番。ノブレス・オブリージュ(財産・権力・地位を持つ者は相応の社会的責任や義務を負う)は果たしている。阪神・淡路大震災(1995年)の被災地に8億円以上を寄附したのを始め、自然災害に襲われた被災者、コロナ禍の医療現場への支援を続けており、寄附総額は約27年間で100億円を軽く超えている。

 もっとも、副社長だった滝沢氏の退所はやっぱり痛い。暗い影をさしている。滝沢氏が担っていたジュニアの育成は井ノ原快彦(46)ジャニーズアイランド社長に引き継がれたものの、その手腕は未知数である。

 またジャニー氏は滝沢氏の「未来のスターを見抜く能力」も買い、自分の後継者に指名したが、これも井ノ原やほかの誰かが代役を果たせるかどうかは分からない。