“理由なき別荘”はいずれ空き家になる

 別荘地は当然ながら地方である。あえて悪い表現をすれば田舎だ。

別荘を所有するうえで大事なのは、“本当に行くのか?”ということです。まずメインの住居からどの程度の距離なのか。数時間かかるようなところに自分は頻繁に行くのか。新幹線である程度近くても、別荘地では車がなければ身動きが取れません。シーズンに1回利用する程度では、建物はどんどん傷んでいくでしょう。

 また、別荘に行って“することはあるのか”。これも年1回程度であれば“何もしない”ことが癒やしになるかもしれませんが、それは本当のお金持ちの使い方でしょう。年1回のために数十万円ほどの維持費をかけるわけですから。自然の中で焚き火をしたり、食事をすることが好きだったり、海沿いの別荘であればマリンスポーツが好きだったり、“理由”のない人は別荘を所有しても絶対に行かなくなります。断言しますが、“この格安物件、海沿いでテラスもあって、ここで過ごすの気持ち良さそう”くらいに思っている人はいずれ飽きて行かなくなりますし、そもそも過ごせるほどに直すことにも飽きるでしょう。暑すぎたり寒すぎたり、別荘地は環境として通年気持ちいい場所ではありませんし。

 格安物件は“使われなくなった”から格安なわけです。それを購入して使わないのであれば本末転倒で、結果また同じ“空き物件”となってしまうと思います」

 人にとっては負の遺産でも、“物件”はある。それがときに利益を生む可能性もある。それを生かすか再度殺すかは所有者次第……。