ブランド復活時に、商標登録を出願した経緯は。

「田代さんとしては、偽物が販売されている現状と偽物が高値で取引されていることを知っていて自分でやりたいと思っていらっしゃいました。そんななかで感性も近く、モノづくりに精通している弊社に委任することにされたのが今回の経緯となります」

“復活”した田代まさしの『マーシーズ』グッズ(販売サイトより)
“復活”した田代まさしの『マーシーズ』グッズ(販売サイトより)
【写真】DJ息子との一夜限りの“セッション”を楽しんだ田代まさし

 現在、マーシーズではTシャツ、そしてライター、マグカップといった小物を展開。商品はオフィシャルECサイトで販売されている。そのサイトには“約40年の時を超えて電撃復活!”の文字が。今後の展開は。

「昨今の日本では、問題を起こして挫折した人が復活するのはとても厳しい。アメリカでは俳優さんや女優さんなどが薬物や暴力などの問題を起こして挫折しても、すぐに復活できている人がたくさんいます。田代さんが頑張って復活できたら、諦めたり悩んでいる人たちの手本になれます。自分がまた挫折してしまいそうな時に、ブレーキをかける人や会社、存在と付き合うことで 意識することになるし、(再犯しないための)プレッシャーにもなります。

 そんななかで自分と戦いながら依存症の人の気持ちを理解して、応援してくれる人が増えていけば依存症が減ったり、失敗しても再チャレンジする勇気のきっかけになるのではないかと思っています」

田代は「求められている」

 そして田代本人にも、マーシーズ復活、そして今後や夢について話を聞いた。

「いまだに偽物が横行していて、自分がまだ存在できているという嬉しい気持ちもありましたが、やっぱり有名な芸人さんや活躍されているアーティストの人が今でも着てくれているからこそ、自身の本物をちゃんと作り直したかった。作らなければならない。生かされている。求められている。応援に応えたいという強い思いが湧き出てきました。

 年齢がもうじき67歳になって、残り少ない人生のなかでどう生きるかという部分で、まだ自分にできることがあるのではないかと考え、マーシーズを欲しい人に応えたいと思いました」(田代まさし、以下同)