がんヨガの基本「鼻呼吸で心を整える」

 がん患者向けのヨガは、身体への負担が軽く、体力が落ちている人でも無理なくできるポーズで構成されています。

 それでも、「いきなり身体を動かすのはちょっと……」と感じる人は、まずは呼吸法から試すのがおすすめ。

 鼻から大きく息を吸って鼻から吐くのが、がんヨガの呼吸の基本。ただし、口から吐くほうが楽な場合は、それでも問題はありません。がんヨガは、自分が気持ちよく感じるように行うのがいちばん大切です。

 例えば、自分ががんであることを告げられたときや痛みがあるときなど、不安や苦痛を感じると呼吸が自然と速く、浅くなってしまう。そうしたときには、両手を胸にあててゆっくりと呼吸をするだけで心が落ち着くのを感じるはず。

 呼吸は人が生きるうえで欠かせないもの。まずはがんヨガの呼吸から始め、慣れてきたら実際のポーズに挑戦してみましょう。

 ここでは8つのポーズを紹介していきますが、すべてを行う必要はない。治療中の人はかかりつけ医に相談しながら、やりやすいポーズから呼吸を意識して取り組んで。

 決して無理をせず、自分のペースで気持ちよく行うようにしましょう。

片鼻呼吸で整える

1. 楽に座り、目を閉じて右手の親指で右の鼻の穴を閉じる。開いている左の鼻からゆっくりと息を吸う。10呼吸ほど行う。

2. 今度は左手の親指で左の鼻の穴を閉じて、右の鼻からゆっくりと息を吐く。これを10呼吸ほど行う。

片鼻呼吸で整える(イラスト/赤松かおり)
片鼻呼吸で整える(イラスト/赤松かおり)
【写真】がん宣告後に患者に生じる心の変化を表したグラフ