「病気別」要注意の血液型はコレだ!数ある病気の中から、血液型に有意な差がみられ、また重症化率の高い病気を紹介する。それぞれに有効な対策も必読!

日本人の死因のトップ「がん」

◆A型の罹患率が高い胃がん

 胃がんの罹患数は近年減少傾向にあるものの、国立がん研究センター がん情報サービスの統計によると2019年の罹患数は3位と、相変わらず上位に入っている。

 2010年にスウェーデンのカロリンスカ研究所が発表した研究(疫学調査)によれば、胃がんになった688人を調査した結果、A型はO型に比べ1・2倍も罹患率が高いことがわかった。

「胃がんの主な原因はピロリ菌の感染。ピロリ菌がいなければ胃がんになる可能性は極めて低い。いた場合でも、除菌することで発がん率を3分の1に減らすことができます。胃の具合が悪くなくても、バリウム検査で異常がなくても、ピロリ菌検査は受けましょう」(久住先生、以下同)

 ピロリ菌検査は、まず血液検査でスクリーニングし、陽性の場合は、胃部内視鏡検査または呼気検査を行う。

「感染が確認された場合は、胃酸の分泌を抑える薬と抗菌薬2種類を1~2週間服用することで、約8割の人が除菌に成功するとされています」

 ちなみに胃がんに限らず、A型ががんにかかりやすいとされるのには、こんな理由が。

「A型がかかりやすいと一概には言えませんが、がんには細胞膜にA型抗原やそれに近いものが存在します。非A型の人はA型抗原を持つがんを、自分とは異なる敵とみなして攻撃します。しかしA型の人は、異物と認識することができず、がんの増殖を見逃してしまうため、発症率が高まるとされています」

 A型の人は特に、がん検診を受診することが大切だ。

◆B型、AB型は要注意の卵巣がん

 40~60代の女性に多い卵巣がん。2010年、ハーバード大学は全米の女性看護師約5万人のデータを用いて、上皮性卵巣がんの発生率について調査。それによると、10年間で卵巣がんを発症した234人のうち、O型と比べて、B型とAB型の女性では1・41倍もがんの発生率が高いことがわかった。

「卵巣がんの約10%は遺伝的要因によるものです。また、妊娠や出産経験のない人、初経が早く、閉経が遅い人はリスクが高くなる可能性があります。急激なお腹の痛み、太っていないのに下腹部が出てきたなどの症状があったら、早めに婦人科を受診しましょう」

 近年海外では、より積極的な対策の提唱も。

「アメリカの産婦人科学会では、閉経を迎えた女性が子宮筋腫や、または他の疾患で腹部の手術を受ける場合、積極的に卵巣や子宮を摘出することを推奨しています。とってしまえば、卵巣がんや子宮体がん、さらに40代以降急激に患者数が増える子宮筋腫もリスクをゼロにできますから」

 摘出によるデメリットは、意外にも少ないという。

「閉経とともに女性ホルモンの分泌量がなくなっていくため、卵巣は必要なくなります。がんの発生母地となる可能性を考えると、残しておくデメリットのほうが大きい」

 選択肢のひとつとして、今後、日本でも検討されていく可能性がありそうだ。