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ー 事務所の見解発表が日曜の夜になった理由

 ジャニーズ事務所と安倍晋三元首相と落語家の柳家小三治師匠。落語の三題噺のような無関係なワードで、この原稿は進む。

 ジャニーズ事務所の創業者、ジャニー喜多川前社長(2019年、87歳で死去)から性被害を受けた元所属タレントの訴えについて、同社の藤島ジュリー景子社長(56)が、「何よりもまず被害を訴えられている方々に対して深く、深くお詫び申し上げます」と頭を下げた。

「きちんと顔出しをして、トップが謝罪したのは評価できますが、メディアの質問を直に受ける会見ではない点は評価されにくいでしょうね。創業者の不祥事について、しかもセクシャルな問題について批判を受けているわけですから、藤島社長もつらいと思いますよ」

 とスポーツ紙元ジャニーズ担当記者は読み解く。

事務所の見解発表が日曜の夜になった理由

 別のスポーツ紙記者は、

「岡本カウアン氏の訴えについて、ジャニーズ事務所は『きちんと対応します』と最初からいっていました。そのときには報じようとしていたので、今回、一面で報じることになったわけです」

 と明かす。

 藤島社長は、先代の性加害について「行為自体は決して許せることではない」と罰し、それに気づけず問題を放置し続けたことに「事務所の存続さえ問われる、極めて深刻な問題」「(事務所体制は)異常」と、強い言葉で自己批判した。

「最大の悩ましいところは、ジャニーさんが故人であるために『事実と認める、認めないと一言で言い切ることは容易ではない』と事実認定をしなかった点。昨年、安倍さんと旧統一協会の関係が問題になった際、岸田首相は『お亡くなりになった今、確認するには限界があります』と答えた文脈と同じです。

 言われみれば、確かにそうですよね。それでも事実関係は多角的に進めることができる。事実関係の認定には時間と慎重な姿勢がかかると思いますので、藤島社長の、現段階での言い分も仕方ないと思いますけどね」(前出・スポーツ紙元ジャニーズ担当記者)

 今回の事務所の発表時期について疑問を口にするのは、情報番組のデスクである。先週の時点で「今週末には事務所としての見解を公式に伝える」とされていた発表のタイミングは、日曜日の夜になった。

「週末は、TOKIOの城島茂(土曜朝6時『週刊ニュースリーダー』)や東山紀之(日曜朝5時50分『サンデーLIVE!!』)がMCを務める生番組がある。そこで触れなければ彼らも責められかねない。日曜日の夜の発表になったのは藤島社長の、タレントを守る姿勢だと受け止めていいと思いますよ」

 加えて、こう伝える。

実は翌日の月曜は新聞休刊日でした。スポーツ紙は駅売りやコンビニで手に入りますが、宅配はない。ネットで記事は読めるためどうってことはないといえばどうってことはないのでしょうが、駅売りの新聞は、すべての印刷物が保存される国会図書館に残らないのです。これが案外大きい。

 落語家の柳家小三治さんの死去が報じられたのも、新聞休刊日でした。スポーツ紙は名人の急死を一面トップで伝えましたが、国会図書館には残っていない。小三治さんの死去に作為はありませんが、藤島社長の動画にそんな狙いはなかったのか。ちょっと勘繰りたくなりますよね」

 新聞休刊日のスポーツ紙が大々的に報じたが、それが朝の情報番組で詳しく、お得意のパネルを駆使して取り上げられることはなかった。