時には、後輩たちから悩み相談をされることもあるそう。

「私の若いころは相談できる相手が身近にいなかったですから。まさか、自分が一番年上として相談を受けるような立場になるなんてね」

 ラジオ番組で、ハリセンボンの箕輪はるかさんから、「40代前半のころ、どう仕事と向き合ったらいいですか?」という質問を受けたことがある。

 そのときのミチコさんは、

「あんまり遠慮しなきゃよかったなと思う。私は遠慮して、前に出ていけなくなったことがあって、それが視聴者にも伝わってしまったりもしたから。もっと伸び伸びとすればよかった。あのころはまだ女性芸人が少なかったから、寂しかった。女がお笑いの世界にいることが恥ずかしいような感じもあったけど、今は変に遠慮しなくていいと思う

モノマネは女のほうがやりやすい

 というようなことをアドバイスしつつ、

オバサンを超えた今は、ずうずうしくなってるけどね

と笑った。

 笑いを作る作業においては、男女差はあるのだろうか。

ネタとしては女だから苦労したっていうのは、あんまり感じてないですね。もともと下ネタみたいなのは好きじゃないし。モノマネは、女のほうがやりやすいんじゃないかな。女性が社会進出してきたからマネしたい人も増えたし。それに、年を取ると声が低くなるので、男の人のマネもしやすくなるんです。若い人の高い声はマネしにくくなりますけど」

 安倍晋三元首相や、麻生太郎さんなど、男性のモノマネも独自の目線で作り、ひょいとやってしまう。男女の垣根を越えてしまう自由さがある。

女同士ってすぐに組めるのもいいなと私は感じています。YouTubeで光浦靖子さんや青木さやかさんと対談しましたけど、コラボがしやすい。それは男性より有利じゃないですかね

 お笑い界に女性の先輩は少なかったが、モノマネを通して他ジャンルの魅力的な先輩と触れる機会は多かった。

「草笛光子さんとお会いする機会があったんで、『モノマネしてすいません』と挨拶しにいったんですよ。そしたら手をぱっと出されて。握手かなぁと思ったら、『モノマネ代、払って』とおっしゃった(笑)。粋でカッコいいですよね。草笛さんとか黒柳徹子さんとかを見ると、年を取ると女のほうが強い。私もあのくらいたくましく年を取れたらなぁって、憧れますね

YouTube『清水ミチコのシミチコチャンネル』

構成・文/伊藤愛子●いとう・あいこ 人物取材を専門としてきたライター。お笑い関係の執筆も多く、生で見たライブは1000を超える。著書は『ダウンタウンの理由。』など