まず、ざっと経緯を追ってみよう。

 EXOの3人のメンバー側は6月1日に「専属契約の解約通知」を送るまで、3月21日からSMへ「精算資料の写し」を要求する内容証明書を7回にわたり送っている。収益の精算についてこれまで釈然としなかったことを理由に挙げ、「正確で透明な精算の根拠となる資料の要請はアーティストとしての当然の権利」としている。

 精算資料というのは、たとえばアルバム1枚についての歌唱印税やコンサートなどでに関する詳細な収支の内訳で、SM側は「閲覧はできるが提供はできない」という立場でこれを拒否。内容証明の最後の返答期限が5月31日で、期限が切れた6月1日、専属契約の解約の通知に至ったとメンバー3人側は明らかにしている。

アーティスト側に「外部勢力がいる」と批判

 SM側は資料の写しを提供できない理由として「精算過程は透明である」とし、「精算資料が正しく提供されなかったというアーティストの主張はまったく事実ではなく、大衆文化芸術産業発展法の改正前までは年に2回、改正された後からは毎月精算を進めてきた。毎月の精算の進行具合や資料は常時閲覧可能だ」と具体的に説明した。

 そして、今回の事態はメンバー3人の背後に「外部勢力」がいるために起きたとし、「外部勢力がアーティストに近づき、虚偽の話を吹き込み、自分たち(外部勢力)と契約しても法的に問題はないと提案したという情報が当社に寄せられている」と強く反駁した。その外部勢力に対し強硬に対応するとしており、実際にそう目されている会社へ内容証明を送ったことも確認された。

 送り先は2021年に設立さればかりの「ビッグプラネットメイドエンタ」だ。SMは同社の前理事で歌手(MCモン)がメンバー3人に近づき甘言を囁き、同社が3人と契約を結ぼうとしたと見ているようだ。

 これに対し歌手は「先輩としてアドバイスしただけ」と反論。ビッグプラネットも3人のメンバーとは面識もなく、契約しようとした事実もないとすぐに反論し、こちらも法的に対処するとした。