不動産紹介業者としての根幹を揺るがすおぞましい事件

 中西容疑者は、住宅機器メーカーの最大手『L』傘下の有名不動産会社の社員だったのだ。不動産売買、賃貸、建築、リフォームなどを一手に担っており、容疑者は賃貸営業担当だったという。

 これらを踏まえると、事件現場のアパートは不動産会社が管理する“空き物件”だった可能性が高い。

 中西容疑者は被害女性に、栗東市のアパートを紹介していたのではないか。内見をともにしていくなかで、被害女性を空き物件に誘い込んで悪辣な犯罪に手を染めたのではないか……。そう考えれば、すべて合点がいく。

 真相を知るべく、容疑者が勤務していた不動産会社に問い合わせるも、

「弊社の社員ということは、間違いありません。ですが、現在はまだ捜査中でもありますので、取材をお受けすることはできません」(同社社員)

 記者が食い下がって、容疑者の勤務態度など、業務に関する部分を聞いても、

「それは個人情報なので、応じるわけにはいきません」

と断固拒否し続けた。

 捜査中とはいえ、自社の社員が客に卑劣な行為をして逮捕されているならば、被害女性への謝罪の言葉があって然るべきだろう。不動産紹介業者としての根幹を揺るがすおぞましい事件に対して、ひたすら無言を貫く姿勢には呆れるばかりだ。

同社HPの「スタッフ紹介」の欄には容疑者のものもあり(現在は削除済)、

《大津市・高島市の賃貸はお任せください! 大津育ちなので、地理や地域のことはとても詳しいです。お部屋のことだけではなく、地域のお店や学校のことも色々ご相談ください!》

 という自己PR文とともに中西容疑者のプロフィール写真も掲載。満面の笑みを浮かべた“悪魔”の毒牙にかけられた女性客は一体何人いたのだろうか。

 警察は中西容疑者の余罪についても捜査を続けている。