爆売れの理由は“好感度”

「日本国内で大谷選手が出演しているCMの商品が売れている点が挙げられます。特に、昨年までは化粧品といったものはほとんど計算に入れていませんでしたが、今年からは入ってくることになる。それは、今まで野球のルールすら知らなかった中高年の女性がWBCでの活躍を見て、大谷選手が出ているからという理由でメジャーリーグのテレビ中継を見ており、大谷選手が出演するCMの化粧品などを購入しています。化粧品以外にも、大谷選手が持っているものや食べているものと同じ商品をファンの人が買っていて、消費は増加しています。競技にまったく関係ないものがこれほど売れることはほとんどなく、そういった点でも他のスポーツ選手とはレベルが違います」(宮本名誉教授、以下同)

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 この傾向は日本国内だけにとどまらないようだ。

アメリカでも大谷選手に関係するものが売れています。それだけではなく、大谷選手を通じて日本文化や食生活にも興味を持つ人が増えています。大谷選手が持っていなくても、日本の文房具やおもちゃ、漫画、扇子などの日本文化を感じさせるものが売れているようです。イチローさんや松井秀喜さんなどもメジャーリーグで活躍しましたが、現地の人が日本文化に興味を持つまでの影響力があるのは大谷選手くらいでしょう

 大谷には直接関係しない商品だが、なぜ多くの人の購買意欲を刺激させるのか。

大谷選手の好感度が関係していると考えられます。グラウンドにゴミが落ちていたら拾ってポケットに入れる、他の選手のバットを拾ってあげるといった人間性という部分が、消費者の心を動かしていると思います。

 好感度が高いというのは、日本でもアメリカでも中高年の女性が“自分の娘や孫と結婚してほしい”と話していることにも表れています。また、企業側からしても、大谷選手をCMに起用すれば商品の売り上げが伸びて、不祥事を起こすという心配もないので、これからもスポンサーは増えていくでしょう」

 “日本文化の伝道師”になっている大谷。その影響力はとどまらなそうだ。

◎宮本勝浩 関西大学名誉教授。専門分野は国際経済学(移行経済論)、理論経済学、関西経済論、スポーツ経済学。過去には「阪神優勝の経済効果」などを発表