内なる怪物を持つ俳優たちに注目

 6位以下を見ると伊藤沙莉(29)、吉川愛(23)、桜田ひより(20)とカトリーヌさんの言うように、たしかに子役出身が多い。以前は名子役は女優として大成しないという業界の常識みたいなものがあったが、それを覆すようにティーンから大人へと段階を踏んで、女優として成長していっている。

「子役出身ということはただ可愛いとかきれいなだけじゃなくて、演技力の裏づけがあるということ。『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(日本テレビ系)には芦田愛菜パイセンと加藤清史郎パイセンが出てますが、ベテラン感がハンパない(笑)。

 今回のランキングに入った女優さんたちは、みなさん内なる怪物を持っている気がします。今は配信や深夜枠でものすごくドラマの数が増えて、視聴者の見る目も肥えている。ルックスや話題性だけでブレイクする時代ではないんです。

 もうひとつの大きな変化が、伊藤沙莉さんや趣里さんのような以前だったら名バイプレーヤー扱いされる女優さんが朝ドラヒロインに抜擢されるようになった。ああいう実力派にきちんと主演作品が用意される時代になったのはすごくいいことだと思います」(カトリーヌさん)

 最後に、これからランキングに入ってきそうなネクストブレイク俳優をカトリーヌさんに挙げてもらった。

「男優だと細田佳央太さん(21)に注目です。最近では『どうする家康』の信康役が印象的でしたが、『ドラゴン桜』('21年)など同じ人とは思えないほど役によって変わる。第二の菅田将暉的な存在になれる人だと思います。

 女優では、『最高の教師』に出演中の當真あみさん (16)は確実にブレイクすると思います。『妻、小学生になる。』('22年)で水川かたまりさんに憑依される中学生小説家役だったんですけど、あれが初演技と知って驚きました。『どうする家康』の亀姫役や『大奥』では田沼意次役というシーズン2のキーパーソンに抜擢されるなどNHKにも気に入られている。独特の存在感があるし、彼女もやはり怪物なんでしょうね」

カトリーヌあやこ●漫画家&テレビウォッチャー。著書にフィギュアスケートルポ漫画『フィギュアおばかさん』(新書館)など

(取材・文/蒔田陽平)