振り回されるティアラたち、出費もかさむ……

 昨年11月の3人の脱退・退所発表から、ファンは大きな反発の声をあげながらも、5人のキンプリを支持する意思表明として、『閉店セール』とも揶揄された5人体制ラストのリリースラッシュに飛びついたり、過去作品のセールスも伸ばそうとしてきた。

 その結果、当時の最新シングル『ツキヨミ/彩り』やその後の5人のラストシングル『Life goes on/We are young』およびラストアルバム『Mr.5』、またデビュー曲『シンデレラガール』までもがミリオンセールスを突破(オリコン調べ、以下同じ)。

『オリコン上半期ランキング2023』の『アーティスト別セールス部門トータルランキング』では、キンプリがシングル・アルバム・映像作品(DVD/BD)などの合算で史上最高金額の184.1億円を叩き出し1位を獲得したほか、作品別の売上数部門では7冠を達成する偉業を成し遂げた。

 しかし、キンプリがデビューから3人の脱退・退所発表前までにリリースしてきたシングル・アルバムの売上げは30万枚台から50万枚台。FC会員100万人以上と言われ、もとから大人気グループだったことに変わりはないが、ドラマ・映画やバラエティ番組露出の多かった彼らだけに、それを見るだけで満足していたファンも一定数いたのだろう。

 それが、「ジュリー氏への抗議」と「5人のキンプリ支持」表明のために、既存ファンだけでなく騒動により新規でついたファンも合わせ、空前の『買い漁り状態』を引き起こした。

 ただ、3人脱退後の2人体制キンプリのシングル・アルバム売上は、2人組としては大健闘だが、脱退騒動前の水準に戻っている。

 もしこのままジュリー氏が退任した場合、キンプリは本当に分裂しなければいけなかったのかという議論とともに、「5人体制ラストの買い漁りは何だったのか」と脱力するファンも続出しかねない。

 もちろんジュリー氏とは関係なく、脱退組3人と残留した2人は自分たちの意思で歩む道を決めたのだとの意見も多いが、今後、平野・神宮寺のもとに岸が合流しアーテイスト活動を再開させた場合、彼らと2人のキンプリどちらも応援するファンにとっては出費がかさむことになりそうだ。