腸にいい食習慣は“長続きする”を最重要視

 日本で白米が主食になったのは1950年代ごろといわれているが、美肌治療のパイオニアである小柳衣吏子先生は「日本で生活習慣病が増え始めたのもこのころです」と話す。その原因の1つが、食物繊維の不足。

「白米を食べる習慣が定着するまでは麦などが主食だったので、穀物から食物繊維がとれていたのですが、現代社会では、食物繊維の多い穀物を食べる機会は少なくなってしまいました。だからこそ、日頃から意識して食べていくべきです」(小柳先生、以下同)

 麦飯などはあまりおいしくない印象があり、敬遠されがちだが、

「今はもち麦など、おいしく食べられるように改良されています。腸に良い食習慣は、味、コスト、手間など、すべてにおいて“継続できるか”が重要。自分なりに続けやすい方法を見つけてください」

腸活11:納豆はアレンジで毎日飽きずに

 納豆菌による整腸作用で腸活の定番メニュー・納豆だが、毎日同じ食べ方では飽きてしまうという人も。そこで先生が行っているのが、納豆への“ちょい足しアレンジ”だ。

刻んだ野沢菜、ちりめんじゃこ、梅干し、ノンオイルツナなどを日替わりで入れ、飽きないように工夫しています。タレをかえるアレンジ法も簡単なのでおすすめ。私はお気に入りのしょうゆを入れて“味変”しています」

腸活11:納豆はアレンジで毎日飽きずに※写真はイメージです
腸活11:納豆はアレンジで毎日飽きずに※写真はイメージです
【写真】健康な腸を実現するための“究極の腸活”食生活

腸活12:もち麦で水溶性食物繊維

「もち麦」とは、もち性の大麦のこと。ぷちぷち、もちもちした、独特な食感が特徴だ。

「10年以上、白米を炊くときは“もち麦”を同量入れ、半々の量にして炊いています。もち麦は水溶性食物繊維がとても豊富です。

 大麦の一種ですが、今は食べやすくて、値段もお手頃なものが身近なスーパーで買えますよ。私はもち麦を食べ始めてから便秘をしなくなりました」

腸活13:キャベツのせん切りサラダで便秘知らず

 食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があり、腸を健康に保つには両方を偏りなくとると良い。

「不溶性食物繊維をとるために、ランチは毎日“キャベツのせん切りサラダ”をクリニックに持参して食べています。味つけにドレッシングは使わず、酢じょうゆと少量のマヨネーズが定番。市販のサラダを買うより安いので、節約にもなります」

腸活13:キャベツのせん切りサラダで便秘知らず※写真はイメージです
腸活13:キャベツのせん切りサラダで便秘知らず※写真はイメージです

腸活14:座ったまま腹筋で腸を動かす

 腹筋運動というと寝転がって行う方法が一般的だが、小柳流の腹筋は座ったままでOK。イスに浅く腰かけ、上半身と足が垂直になるまで足を上げるだけ。これなら場所も取らず、腰への負担も軽い。1日10回×3セットを目標にやってみよう。

「狭いスペースでも手軽にできます。普段あまり腹筋を動かしていなかった知人は、この腹筋を10回やっただけで腸の動きが良くなり、おならが止まらなくなっていました(笑)」

腸活15:ホットコーヒーは美腸効果あり

 アンチエイジング効果、抗酸化作用、美白作用など、美容・健康にうれしい成分が多く含まれているコーヒー。実は近年、腸にも有益との研究結果が出てきている。

プレバイオティクスといって、小腸で分解・吸収されずに大腸へ到達し、大腸内の微生物のエサになる成分があるのですが、コーヒーにはプレバイオティクスの効果があるのです。ホットなら身体も温まり、一石二鳥ですよ」

腸活15:ホットコーヒーは美腸効果あり※写真はイメージです
腸活15:ホットコーヒーは美腸効果あり※写真はイメージです
小柳衣吏子先生●アオハルクリニック院長。美容皮膚科医として外側からのケアはもちろん、食べ物などで身体の内側からのケアにも力を入れ、日々、肌の健康と美を追求している。製薬会社と共同で、化粧品も開発。
小柳衣吏子先生●アオハルクリニック院長。美容皮膚科医として外側からのケアはもちろん、食べ物などで身体の内側からのケアにも力を入れ、日々、肌の健康と美を追求している。製薬会社と共同で、化粧品も開発。
小柳衣吏子先生●アオハルクリニック院長。美容皮膚科医として外側からのケアはもちろん、食べ物などで身体の内側からのケアにも力を入れ、日々、肌の健康と美を追求している。製薬会社と共同で、化粧品も開発。