否定の声も承知の上

 元総理大臣を父に持ち、“小泉ジュニア”として鳴り物入りで政界入り。女性人気も高かったが、近年彼の発言は“小泉構文”として揶揄される対象に。中身がなかったり、同じことを繰り返したり、当たり前のことをさも自分だけがたどり着けた答えかのように説明する小泉氏の姿に、“アホ”“頭が空っぽ”という評価をする人は少なくなかった。しかし、今回の行動で久しぶりに称賛を集めた。彼はアホなのか、天才なのか?

「実際の政治的な評価や実績は別として、SNSを含めたメディア発信はほかの政治家と比較して秀でていると思います。今回の行動は“福島の海を訪れて安全性をアピールする行動力がすごい”、“サーフィンという誰もが思いつかない発想”と評価する人がいる一方、小泉構文などから“アホがサーフィンしてる”と否定的な人もいる。小泉さんは肯定的な評価だけでなく、否定的な声も出ることをわかってやっていると思います」(ITジャーナリスト)

 

 良いことも悪いこともすぐに広まってしまうSNS社会。

「処理水についていくら科学的な説明をしても民衆の耳目は悲しいことにサーフィン以上には集まらない。メディアの取り上げ方も同様。小泉氏のサーフィンは大してうまくないのでどこか間抜けな姿に見えました。肯定的な人には楽しい絵面に見えますし、アンチはよりバカにする。SNS社会は肯定と否定という“両輪”があるほうが、どちらか一方だけより拡散されやすい。そもそも何をやっても炎上もせず、話題にもならない議員なんて山ほどいるわけですから」(同・ITジャーナリスト)

 小泉氏の好きな言葉は「意志あるところに道はある」。拡散を狙う意志のもとにメディア・SNSという道を使うのが誰よりも上手なのかもしれない。もちろん政治家としての評価はそれだけではいけないのだが。