「背脂トッピングをお願いして、店側が承諾した時点で契約は成立します。この点、無料だと思って背脂を注文した(無料でなければ注文しなかった)が、実際には有料だったということであれば、勘違い=錯誤があるため契約を取り消せるように思えます。しかし、今回のケースでは客の“無料だから注文する”意思が店側に示されていないため、錯誤取消の主張は認められないでしょう。ラーメン業界において無料トッピングであることが一般的であっても結論は変わりません」(三浦弁護士)

ラーメン業界が炎上しやすい理由

 この一件には『X』上でラーメン店店主も参戦。ある店主は《なんでも無料だと思っているのか。注文したら加算されるのはおかしな事ではない》と投稿。炎上の一端を担った形となった。飲業界において、とかく炎上が起こりがちなラーメン業界。なぜなのか……。

「実情として客側は“ラオタ(ラーメンオタク)”と呼ばれる人たちがいるように、ラーメンへの思い入れの強い人、あえて言えば自分の意見、好きな店以外認めない視野の狭い人が、ほかの飲業界と比較して非常に多い」(前出・飲コンサルタント、以下同)

 自分が認められないものに強く意見する。それに対して一般の人が絡んでいき、さらに拡散されて炎上する。

ラーメン業界は客が店主に心酔するような特殊な業界です。ゆえに“名物店主”が生まれやすい構造となっている。ラーメン業界はSNS戦略、メディア戦略として前面に出ている店主も多い。現代はあえて強い言葉を使い、賛成だけでなく否定的な意見も集めたほうが拡散される時代。ウケている“ラーメン店主ユーチューバー”は他店の批判などを展開する炎上系も少なくない。そういった人が火をくべています。事実、《なんでも無料だと思っているのか》と投稿していた店主は、この件について、《朝から良い糧を見つけましてw》とも投稿。炎上の種とわかって近づいている。それも宣伝だと」

 どんな事柄も是々非々があるべきだが、わざと火をくべるような行為は……。