繰り返すなら受診を家でできる予防法も

 過換気症候群という自覚がないまま、再発しているケースもあるという。

 身体は健康で、肺炎など呼吸器系の病気でないにもかかわらず、不安になると呼吸が苦しくなる……という症状があるようなら、心療内科を受診してほしいと小野先生。

「まずは、呼吸器内科で呼吸器系の異常がないことを確かめてから、心療内科の受診を。一度きちんと診てもらって、自分の身に何が起こっているのかを説明してもらうだけで、ずいぶんと安心できるものです」

 診断された場合、どのような治療を行っていくのか。

「発作が起こりそうなときに行う呼吸方法の指導や、誘因となっている過度なストレスの原因を突き止め、どのようにそのストレスと向き合うかなど、カウンセリングをしていくのが主な治療法です。不安感が強い場合には、抗不安薬を処方することも」

 もし、自分や周囲の人が発作に見舞われたら、対処法はひとつ、「ゆっくり大きく呼吸すること」。とっさのときでも落ち着いて実行できるようにしたい。

 また、自分で手軽にできる予防法もある。自律訓練法といわれるもので、身体の臓器や筋肉を調節する自律神経のバランスを整える効果がある。

「(私は今)気持ちが落ち着いている」など、決まった言葉を心の中で唱えながら自分に暗示をかけていく。自律訓練法を行うときは、毎回同じ言葉を心の中で唱えるのがポイントだ。

 今回は取り入れやすいように、省略版を紹介するので、不安を感じやすい人や、発作を起こした経験のある人は、試してみてほしい。