行動02:がんや認知症も。肥満はあらゆる病気のもとと知る

 脂肪肝や睡眠時無呼吸症候群、骨関節疾患、月経異常や不妊、皮膚疾患など、肥満に関連する疾患は多い。

「中でも代表的なのが高血圧、脂質異常症、糖尿病。腹囲が男性で85cm、女性で90cm以上でかつこの3つのうち2つ以上に当てはまるのがメタボリックシンドロームで、冠動脈疾患や脳血管障害を起こしやすくなってきます」

 その他、最近注目されているのが認知症と悪性腫瘍。

認知症は高齢期に太っていてもあまり認知には影響せず、中年期に太っていると認知症になりやすいというのが特徴。

 悪性腫瘍では乳がんと子宮体がんは閉経後の太っている女性のリスクが非常に高く、肥満との関連が確実とされました。

 あとは肝臓がん、大腸がん、食道がん、膵がんなども肥満と関連があると考えられています。肥満はあらゆる病気のもとで、肥満自体が命に関わる。甘く考えず、本気で取り組まなければいけません」

その他の肥満に関連する疾患
・胆石症
・静脈血栓
・気管支喘息
・胃食道逆流症
・皮膚疾患
・男性不妊
・精神疾患、うつ病 ほか

行動03:中性脂肪値だけじゃない。コレステロールも要チェック

 中性脂肪とは体内の脂質のひとつ。健康診断などの診断書にはトリグリセライド(TG)と記載され、中性脂肪が多すぎると内臓に脂肪がたまり肥満を招くことになる。

 中性脂肪値と併記されているのがLDLコレステロール(LDLC)とHDLコレステロール(HDLC)。いわゆる悪玉コレステロールと善玉コレステロールで、この3つには密接な関係がある。

「LDLCとHDLCのバランスが大切で、それが崩れてしまうと動脈硬化のリスクが高まってしまいます」

 LDLCの数値は高いほど、HDLCの数値は低いほど動脈硬化を促すことに。

 診断時は中性脂肪値に加え、これら2つのコレステロールの数値もあわせてチェックしたい。