ほぼ毎年“復刻”

 このダウンジャケットは『ア・ベイシング・エイプ』のもの。牧瀬里穂の夫・NIGOがディレクターを務め(当時)、'90年代後半ごろから“裏原系”の筆頭として人気を博したブランドだ。

「木村さん着用の最初期のダウンは革の染色が難しく、当時10着程度しか作られなかったそうです。それをドラマで着ていた。実は復刻は今回が初めてではなく、というか頻繁に発売されています。'07年、'10年、'15年、'16年、'18年、'19年、'20年、'21年……。近年はほぼ毎年のように復刻していますね(苦笑)」(スタイリスト、以下同)

 なぜこれほどまでに?

「復刻が頻繁なのは“売れるから”にほかならないでしょう。事実今年も完売していますし。今でも高値が付くのはいくつか理由がありますが、まず復刻させてもすぐ売り切れるくらいの数しか販売しないこと。裏原から続く“人気で品薄のキムタク商品”というイメージを今でも維持しようとしている」

 ファッションにおいて木村の人気は今でも、なのか?

最近、木村さんが着用していた腕時計が意外に安価だと話題になりましたが、木村さん御用達アイテムに惹かれる層はいまだに一定数います。当時の影響をもろに受けた世代が中心ですね。そういった人がある程度、自由に使えるお金ができて、当時は手が出せなかったものを買う。さらに拍車をかけるのが、そんな購買層がいるので、確実性・利益率の高い転売となりやすく、転売ヤーも群がる。このようなあまりよろしくない相乗効果で、いまだに“木村拓哉着用”は人気があり、なくなりません」

 20年以上たっても、「転売、ちょ待てよ!」とはならない。