プロモーションのよさが印象に残る

「キレのあるアクションにダンス要素もあって斬新だった」(愛知県・51歳・男性)「昔の映画を新鮮によみがえらせた作品だと思います」(東京都・59歳・女性)

 栄えある第1位に輝いたのは、'03年に公開された『座頭市』。同作は、故勝新太郎さんの代名詞ともいえる作品だが、「タップダンスが印象的だった」という声が多いように、まったく違うエンタメ作品に仕上げたことが大きな支持につながった。

「『座頭市』と4位にランクインした『アウトレイジ』シリーズは、北野映画の中でも大きなプロモーションを仕かけた作品。アンケートのコメントを見ると、『好き』という意見とともに、『印象に残っている』という声も多い。北野映画ファン以外からも多く支持されていることがわかる」(よしひろさん)

 監督、役者、芸人、タレント……さまざまな表情を持ちながら、喜怒哀楽を自在に描く。たけし映画は多面的だからこそ、多くの人を魅了する。老境を迎えた北野武とビートたけしが何を世に放つのか──、まだまだ楽しみだ。

40歳以上70歳以下の男女1000人に聞いた「好きなたけし映画」

1位 『座頭市』(2003年) 225票
2位 『戦場のメリークリスマス』(1983年) 194票
3位 『その男、凶暴につき』(1989年) 168票
4位 『アウトレイジ』シリーズ(2010年) 109票
5位 『菊次郎の夏』(1999年) 88票
6位 『バトル・ロワイアル』シリーズ(2000年) 81票
7位 『血と骨』(2004年) 30票
8位 『HANA-BI』(1998年) 27票
9位 『教祖誕生』(1993年) 24票
10位 『あの夏、いちばん静かな海。』(1991年) 21票

※インターネットアンケートサイト「Freeasy」にて11月中旬、全国の40歳以上70歳以下の男女1000人を対象に選択方式で実施

よしひろまさみち●映画ライター。音楽誌や情報誌、女性誌などの編集を経て独立。『sweet』『otona MUSE』で編集・執筆のほか、『an・an』『J:COMマガジン』など多くの媒体でインタビューやレビュー記事を連載。テレビ、ラジオ、ウェブ、イベントなどでも映画紹介を行う

(取材・文/我妻弘崇)