小さくて落ち着く終のすみかとの出会い

「まず転職に成功しました。仕事量の多さと責任の重さでストレスフルだった職場から、居心地のいい、いまの職場に運よく移れました。次に新しい住まいとの出会い。これが一番の幸運ですね」

 冒頭、紹介した中古戸建てのことだ。老親が暮らす実家近くと予算内の条件でネット検索したら、築20年、20坪の敷地に立つ掘り出し物件を発見。

「内覧してひと目で気に入りました。木目調の室内に気持ちが落ち着き、2階のリビングは20畳と広く、1階の和室も10畳もある。価格はお手頃の1400万円。20年ローンで買いました」

 このとき入れた頭金500万円は断捨離のついでに、個人年金保険を解約して得たもの。家財だけでなく家計の断捨離も行ったのだ。さらに前述した不用品売買で得たお金などを元手に投資にも挑戦。老後資金を順調に増やしているというからすごい。

 一方で愛犬2匹には保険代などそれなりにお金がかかるが、これは必要経費と認識しているとか。

保険は年8万円かかることもあり、おひとりさまの私には安い金額ではありません。でも犬は癒しの存在ですし、この子たちがいるから仕事を頑張れる。生きるモチベーションになっているんです」

 仕事から帰宅し、家事などの用事を全部すませ、犬に囲まれて好きな映画やドラマを見るのが至福の時という。

「周囲に『ひとりだと寂しいでしょう』と聞かれますが、そんなことは一切ありません。穏やかでストレスフリーないまが一番幸せ。思えば主人にも気を使い、夫婦関係も良好ではなかったので」

 再婚への考えはないものの、週一で会って時間を過ごせるようなパートナーに出会えたらと夢見るルマエさん。

「ないものねだりなんですけどね(笑)。この家でのひとりの時間が大切なんです」

平岡びょうさん●1967年生まれ。子なしバツイチ。認知症の母親を介護しながら、夜勤専門の介護職に従事する。ブログ「介護がきた」で50代独女の仕事と生き方、日々の奮闘を綴る。
お話ししてくれたのは……平岡びょうさん●1967年生まれ。子なしバツイチ。認知症の母親を介護しながら、夜勤専門の介護職に従事する。ブログ「介護がきた」で50代独女の仕事と生き方、日々の奮闘を綴る。
rumaeさん●1966年生まれ。不動産系の事務職。小さな戸建て住宅に愛犬2匹と暮らす50代のおひとりさま。ブログ「すっきり暮らしたい~犬好きおひとりさまの生活~」を綴る。
お話ししてくれたのは……rumaeさん●1966年生まれ。不動産系の事務職。小さな戸建て住宅に愛犬2匹と暮らす50代のおひとりさま。ブログ「すっきり暮らしたい~犬好きおひとりさまの生活~」を綴る。

取材・文/百瀬康司