運命の出会いから“歌手・金嶋昭夫”が誕生

2023年年末に行われた『金嶋昭夫WinterShow』には夢グループの石田重廣社長がゲストとして駆けつけた
2023年年末に行われた『金嶋昭夫WinterShow』には夢グループの石田重廣社長がゲストとして駆けつけた
【写真】石川さゆりなどの楽曲を手がけた作曲家・岡千秋さんとの貴重ツーショット

 2023年12月15日、新宿の伊勢丹会館にある「GARLOCHI(ガルロチ)」。そのステージに金嶋さんはいた。『金嶋昭夫WinterShow』と銘打たれたコンサートには多くのファンが詰めかけ、その視線の先には、誰よりもにこやかに場を楽しむ金嶋さんの姿があった。温かみのある等身大のショーは、飾ることのない金嶋さんの人となりを表しているようだった。

「僕は、こういう方こそスターになってほしいと思う」

 舞台の袖で、目を細めながらそう話す「株式会社ワンハート」社長の田村陽光さんは、歌手・金嶋昭夫の生みの親だ。出会いは、介護施設で行われた渥美二郎さんのコンサートだった。

「終演後、金嶋さんが施設にあるカラオケルームで、気持ちよさそうに歌を歌っていました。その歌声を聞いて、思わず『今までCDは何枚くらい出されているのですか?』と尋ねた。それくらい上手だったんですよ」(田村さん)

 田村さんは、渥美二郎さんの仕事も手がけるキャスティング会社を経営している。金嶋さんが、笑って振り返る。

「『747』の音響チェックをするため、長年、歌ってきたものですから、多少、歌には自信がありました。とはいえ、まさか田村社長からスカウトされるとは思わない。本当に、偶然の出会いから始まりました」

 素人が出すような記念のCDだろうと高をくくっていたという。ところが、後日、日本コロムビアの関係者が来社した。そのまま、「何曲か聴かせてくれませんか?」と実技審査ならぬオーディションが始まり、新宿の『カラオケ747』へ移動することになった。

 自らが手がけたカラオケルームで、歌手への扉をこじ開ける─。優れた脚本家でも思いつかない、名シーンが幕を開けた。6曲ほど歌い終わると、「日本コロムビアからデビューしてください」と切り出された。

「驚くも何も、信じられないとはこのことです。ですが、願ってもないチャンス。ぜひやらせてくださいとお願いしました」