ケース2:善意につけこみ飛び込みで来訪

 80代の女性Bさん宅のインターホンが鳴り、ドアを開けると、出張買い取り業者を名乗る男性がいた。 「ご自宅の不用品を買い取るのと同時に、品物を海外の貧困の方にお送りしています。何かありませんか」と言われ、突然のことに戸惑ったが、自宅へ入れることを了承してしまう。  そこからブランド品や貴金属類の買い取りの勧誘が始まり、数時間も居座られた。何か渡さないと帰ってくれそうにないため、Bさんは売る気がなかったブランド物のバッグを渡してしまった。

 そもそも飛び込みで訪問し、買い取りを持ちかける行為は法律で禁止されている。

「これもクーリングオフの対象です。当店のお客様のお宅では、『粗品をお配りしています』と言って訪ねてきたパターンもあったそう。しかし粗品はもらえず、それも貴金属目的の買い取り業者だったといいます。

 飛び込みで買い取りを持ちかける時点で怪しい。帰らないなら、すぐ警察に通報しましょう」

ケース3:クーリングオフ対象外の百貨店の商品券狙い

 60代の女性Cさんは相続した実家の整理のため、出張買い取りを申し込んだ。しかし、現れた業者は引き取ってほしい大型家具には見向きもせず、もっとお金になるものを整理したほうがいいと言う。  Cさんは百貨店の商品券やワイシャツ仕立券などを見つけた。遠方だったり、期限切れで、Cさんにとっては使い道がなかったが、業者は数百円の値をつけてくれたので喜んで渡した(※)。※ワイシャツ仕立券は期限切れでも使えるものがある。販売元へ事前に確認しよう
 ところが夫に話すと、どこでも額面どおり使えるはずという。取り消してもらおうと、その業者に連絡すると「クーリングオフ対象外なので無理」とけんもほろろだった。

「大型の家具や本、CD、DVD、商品券などの有価証券はクーリングオフできませんので、事前に十分ご注意を」