それから数年後、'07年にバラエティー番組『クイズ!ヘキサゴンⅡ』(フジテレビ系)でついに大ブレイク。番組から生まれたユニット「羞恥心」で一躍おバカタレントの代表格となり、国民的人気に。社長室で表彰状を授与され、涙が止まらなかったという。

ずっと子どもたちに夢を与えていきたい

香田晋さんなど、先におバカキャラで成功された方々はいらっしゃいましたが、羞恥心という漢字が読めなかった僕ら(上地雄輔、野久保直樹)を島田紳助さんがグループにして、可愛がっていただきました」 

おバカキャラの代表的存在だった「羞恥心」。左から上地雄輔、つるの、野久保直樹
おバカキャラの代表的存在だった「羞恥心」。左から上地雄輔、つるの、野久保直樹
【写真】お子さんがいる人は必読! 子だくさんのつるのさんによる子育て本

 当時のことは、忙しすぎて記憶がないという。

でも、33歳で4人目の子どもが生まれる自分がキャーキャー言われることに危機感を覚えていました。それで、注目されているうちに将棋や釣りなどの趣味も前面に出すようにしたんです

 おバカキャラで一世を風靡したが、今ではイクメンの顔であり、6月には、育児に関する本も出版する。

仕事がピークのときに育休を取り、いろいろと知る機会ができました。今は男性が育休を取りやすくなったけど、制度化は違う気がするんですよね

 '23年から大学で児童心理学を学び、3月に認定心理士の資格を取得した。

めちゃくちゃ心理学にハマって、視力が落ちるほど今では本の虫です。お子さんの気持ちは人それぞれで、家庭環境や教育方針も違う。育児について講演会に呼んでいただくのですが、真剣に育児を学ぼうとしているお父さん方からいろいろご相談をいただくので、きちんとお答えできるようにもっと勉強しないと。先生だなんてとんでもない

 今年で50歳、芸能活動も30周年を迎え、5月31日には記念ライブを開催する。

22歳のとき出演した『ウルトラマンダイナ』はいまだに世代を超えて愛されています。僕はオーディションに受かったときに、一生、ウルトラマンとして生きることを決意しました。ドラマが放送終了してからの成長こそが、ヒーローの姿だと思っています。『チャギントン』も15周年を迎えたし、ずっと子どもたちに夢を与えていきたいですね

 おバカキャラからイクメンまでを体現する彼は、優しさと強さを兼ね備えているのだ。

取材・文/山本 航 撮影/渡邉智裕