毎回ゲストが登場し、メンバーと共にさまざまなゲームに挑戦。メンバー5人のオープニングトークも話題に。
1位は「バラエティーもできる嵐」にした原点
「『VS嵐』に出演したゲストの方たちから、嵐の5人が優しかった、気を使ってくれた、なんて話をよく聞きました。
バラエティーでは声を張ったり押していく“張り芸”と、それに対する“引き芸”があるけれど、嵐は“引き芸”。引いたあと、ボソボソとツッコんだり、笑い合う感じが嵐らしくて、そういう場面が多く見られたのも『VS嵐』でした」
1位は『嵐にしやがれ』(日本テレビ系・2010年~2020年)。
「グルメのクイズコーナーが面白かった」(東京都・38歳)、「家族で見て楽しめて、明るい気持ちになる」(千葉県・31歳)、「5人の仲がいいのが伝わってきた」(神奈川県・54歳)、「ありのままの嵐の姿を見られる番組だった」(東京都・47歳)、「メンバーが企画した各地のロケが楽しめた」(埼玉県・62歳)、「嵐の番組の中で、もっともバラエティーに富んでいて、各人のキャラクターがよく出てた」(大阪府・59歳)と、182票獲得。
「嵐が“バラエティーもできる嵐”になった原点がこの番組。もともと嵐はSMAPという大先輩がいて、彼らのようなバラエティーもできるアイドルを目指していた。
当初は役割がおのおのあって、グループのリーダーは大野くん、勉強のリーダーは櫻井くん、芝居のリーダーは二宮くん、アイドルリーダーが相葉くん、そしてバラエティーリーダーが松潤。体当たりものなどいろいろやった前身番組を経ての『嵐にしやがれ』でした」(山田さん、以下同)
2020年の活動休止に伴い、番組は終了。最終回は視聴率18.3%を記録し、10年余り続いた長寿番組は有終の美を飾っている。
「切磋琢磨を続け、個々の役割もだんだん変わっていった。最初のころはやはり拙い感じがありましたけど、フリートークのテクニックもここで磨かれた。彼らの努力が実を結んだ番組で、1日にしてならず、といった感があります」

トップ5には、デビューしたての'01年から、'20年の活動休止前までと時代の幅が約20年あるバラエティー番組がランクインした。復活を望む声は多いが、実際にその可能性はあるのだろうか。
「希望はあるし、実現できるんじゃないかと思っています。嵐は解散ではなく活動終了という形をとっていて、これからも嵐の一員であり続けるという矜持を示している。メンバー5人が納得すれば、番組復活はそんなに難しいことでもないのでは」
すでに水面下では動いているだろう、と推測する。
「やっぱり復活してほしいですよね。ファンも待ってるでしょうし、スタッフもそう。バラエティーのスタッフはメンバーと一緒にいる時間も長く、ロケに出ることもある。信頼関係やメンバーとの絆もあるはず。各テレビ局とも、動き出しているのではないでしょうか」
活動終了まで残りあと約1年。伝説のバラエティー復活はいかに─。
取材・文/小野寺悦子
山田美保子 放送作家、コラムニスト。テレビ、ラジオのコメンテーターとして『サンデージャポン』(TBS系)などに不定期出演中