佳子さまを迎える現地の熱気
6月5日に、佳子さまはサンパウロ到着後、イビラプエラ公園にある「開拓先没者慰霊碑」に献花し、その後、ブラジル日本文化福祉協会の大講堂で開催される歓迎式典に出席したという。
日系二世や三世の方々からは、「高齢の親を連れて行きたいが、大丈夫でしょうか?」「車いすで参加したいが、問題はありませんか」「ドレスコードを教えてほしい」などの相談や問い合わせが、数多く寄せられたという。
同協会の7、8、9階には、ブラジル日本移民史料館があり、初期の移民たちの生活を再現している。ほぼ実物と同じ大きさの小屋の模型も展示されている。
その家の中には昭和天皇と香淳皇后の写真が飾られていて、祖国から遠く離れたブラジルにいても当時の移民の人々がいかに皇室を深く敬愛し、また、昭和天皇と香淳皇后が移民たちの大きな精神的な支えとなっていたのかが理解できるという。
海老澤さんからの連絡で、佳子さまの到着を待ちわびる日系人たちの様子や佳子さまを迎える現地の熱気などが、ひしひしと伝わってきた。
5月23日、宮内庁は、天皇、皇后両陛下の長女・愛子さまが今年11月、ラオスを公式訪問する方向で調整していると発表した。愛子さまにとっては、初めての海外公式訪問となる。
今年は、日本とラオスとの外交関係樹立70周年にあたり、ラオス政府から招待されたといい、愛子さまは首都ビエンチャンで開催される外交関係樹立70周年の記念式典に出席するほか、国家主席への表敬訪問なども予定している。
愛子さまのこれまでの私的な外国訪問としては2006年夏、皇太子(当時)ご一家で静養のためオランダに約2週間滞在した。オランダ王室からの招待によるもので、適応障害を公表した雅子さまの療養などのためだった。また、学習院女子高等科2年の夏休みには、英国の私立イートン校のサマースクールに参加したことがある。
今秋の愛子さまラオス公式訪問は、当然、佳子さまのブラジル公式訪問などがよい手本となることだろう。佳子さまは2019年9月、オーストリアとハンガリーを公式訪問した。2023年11月、ペルーを公式に訪れ、2024年5、6月には、ギリシャを公式訪問している。そして、4度目が今回のブラジル公式訪問である。
愛子さまは事前準備や現地での過ごし方、要人たちとの接し方など、両親である天皇、皇后両陛下に尋ねることはもちろんだが、姉のような存在である佳子さまから教えてもらい、学ぶことは数多くありそうだ。佳子さまに続いて、愛子さまが国際親善の舞台で大きく羽ばたくことを、国民は願ってやまない。
<文/江森敬治>