40代の女性Bさんは、不動産投資に関するトラブルで相談をした。
「古い物件を購入したのですが、売り主や入居者とトラブルになったんです。家族に言えず、知人に相談しても“どうにもならない”と言われて……。不安で眠れない日が続きました」(Bさん、以下同)
「コカイン食堂だ」という誹謗中傷も
そこで以前に読んだ玄氏の著書を思い出したという。
「ダメ元で電話すると、玄さんは“一度、事務所に来てほしい”と言ってくださったんです。玄さんは過去に不動産業を営んでいたことがあり、知人の不動産屋さんを紹介していただきました。今はその方に相談しています。玄さんは何度も“もう大丈夫やで”という言葉をかけてくれて、本当に助けられました」
こうした相談者の声からは、どんな問題を抱える人も見捨てず、解決を図ろうと努力を続けてきたことがわかる。
「こんにちは!」
駆け込み寺の事務所で取材中、赤ちゃんを抱えた女性が入ってきた。
「時間ないんだけど、無事に子どもが生まれたことを報告したくって」
女性は満面の笑みを浮かべて近況を報告し、足早に去っていった。日本駆け込み寺の現・代表である清水葵氏は、
「あの子は17歳から子ども食堂に来てくれていました。家を出て、水商売の仕事をする中で妊娠をしたのです。彼女が“絶対に産む”という意思を持っている一方、親にも行政にも相談できていない状態だったので、駆け込み寺で支援をしました。無事に出産できて、本当によかった」
と弾んだ声で話す。さまざまな相談者の人生を救ってきた日本駆け込み寺だが、事件による批判も強い。
「公金を使ってコカインを吸っていたのか」という怒りの声がある一方、「子ども食堂じゃなくコカイン食堂だ」など、事件とは関係のない誹謗中傷もあるという。
前出のBさんは、
「今回の事件を客観的に見ると、助成金を止められてもやむを得ないと思います。ただ、玄さんはいつも“トラブルの解消が使命”と言っていて、そういう人はなかなかいません。
女性にまつわる問題の解決を謳う弁護士も、お金を払わないと向き合ってはくれませんが、玄さんは利益を求めず助けてくれる。絶体絶命の女性には救世主なのです。これからも多くの人を助けられたはずなのに……」
と肩を落とす。玄氏によると、自身の給料は月10万円。講演などで得た収入は、すべて法人の活動に充ててきたという─。