結婚などプライベートなことも書いていたが、野球に関しては、高校時代はまだ二刀流という選択肢が大谷の中にはなかったため、投手としての目標がつづられている。
高校時代の大谷が立てていた目標
シーズン16勝や25勝、その年に最も活躍した投手に贈られるサイ・ヤング賞の受賞、ヒットも打たれず無失点で9回まで抑えるノーヒットノーラン、世界最速記録となる175キロ、合計3度のワールドシリーズ制覇、メジャーリーグでの年金を満額もらうなどといった目標を立てていた大谷。
“現在地”から考えて、現実のものとなる可能性はあるのか。メジャーリーグ評論家の友成那智さんが次のように予想する。
「メジャーリーグの年金は、10年間プレーすると満額がもらえます。大谷選手は今年8年目。満額もらうことは、ほぼ確実でしょう。現在の制度では62歳から年間27万5000ドル(約4000万円)がもらえます。
今年のワールドシリーズ優勝の可能性は60%くらいでしょう。ドジャースは毎年90勝くらいできると思います。ドジャースは12年連続でポストシーズンに進出していますが、今のメジャーリーグに絶対的な強さのチームはありません。あとはポストシーズンで勝てるかどうか、主力選手がベテランになったときに世代交代がうまくいくかどうか。大谷選手がワールドシリーズをあと2度制覇する可能性はあるでしょう」

近い将来に実現できそうなものもあるが、投手としては2度もひじにメスを入れた“代償”は大きいようだ。
「投手としてエンゼルス時代のように年間を通して休まずにローテーションに入るということはないでしょう。なので、サイ・ヤング賞の受賞やノーヒットノーランの達成は難しいと思います」(友成さん、以下同)
そこにはエンゼルスとドジャースのチーム事情からくる、考え方の違いがあるようだ。
「エンゼルスでは、ポストシーズン出場のためにレギュラーシーズンを必死に戦わないといけませんでした。一方で戦力が充実しているドジャースとしては、レギュラーシーズンは勝って当たり前、いかにポストシーズンで勝ち、ワールドチャンピオンになるかが目標。
2度の右ひじの手術を受けている大谷選手にとっても、次のケガは致命的。レギュラーシーズンはゆとりを持って登板させるはずです。そうなると試合出場数が減るので、よくて年間10勝となり、サイ・ヤング賞には選ばれにくい。球数も制限すると、9回まで投げないといけないノーヒットノーランも厳しいでしょう」