続かなかった結婚生活「甘かった」反省も

 独占インタビューでは、結婚の背景をこう明かしている。

「結婚したのは全部、摂食障害が一時的に良くなったのが理由でした。おいしいねって一緒にご飯が食べられて、感動して結婚したんです。それをメディアで言ってもわかってもらえないだろうから、あえて言わなかっただけで……」

 好きな人と食事をしながら笑い合う。そんな当たり前のひとときすら、過ごせるとは思っていなかった彼女にとって「ものすごくびっくりする出来事だった」という。

 しかし、その幸せは長くは続かなかった。1度目の結婚生活は72日間、2度目は55日間、3度目はわずか14日で終止符。

「あたしゃ、まだまだ生きるぞ」と投稿していた遠野なぎこさん(本人インスタグラムより)
「あたしゃ、まだまだ生きるぞ」と投稿していた遠野なぎこさん(本人インスタグラムより)
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 同じインタビューでは、3度目の離婚を経て感じた心境についても語っていた。

「最初は幸せでも、少しでも相手のあらが見えたり、結婚生活の中で何か不安に感じる事があったりすると、すごいストレスになってしまって。もうここから逃げられないんだと思って、症状が以前より悪化してしまったりするんです。結婚前はこれで病気が良くなるもんだと思い込んでいて、そこまで想定していませんでした。甘かったですね」

 その言葉には、希望と現実の間で揺れた彼女の思いが滲んでいた。

 遠野さんの公式ブログに掲載された「親族一同」からの訃報には、《故人は、生前も大切な愛猫のために日々懸命に生きておりました》という言葉に続き、《故人は俳優業に真摯に向き合い、さまざまな困難と闘いながら、懸命に生き抜いてまいりました》とも記されている。

 懸命に生きた遠野さんのご冥福をお祈りします。