知らないうちに進行しているかも…「胃バテ」セルフチェックシート

 下記のチェックリストを見て、1つ以上の項目があてはまれば、「胃バテ」のリスクが高いという。

⬜︎  朝から胃が重く、空腹にならない
⬜︎  胸やけ、げっぷがよくでる
⬜︎  食後のおなかのはり(膨満感)
⬜︎  すぐにお腹がいっぱいになる(満腹感)
⬜︎  胃がキリキリと痛む
⬜︎  吐き気がする

「『胃バテ』は食欲不振や胃のもたれなど、あきらかに胃の不調を感じることがほとんどですが、知らず知らず進行していることもあります」と三輪先生。

 冷たいものばかりを飲み食いしたり、毎日アルコールを大量に飲んだりしていると、秋冬まで続くような慢性的な胃の不調に苦しむこともあるという。

「胃バテ対策を始めることで、夏バテだけではなく、この先の季節にも耐えられる体に整えることができます」(同)

夏に「胃バテ」を引き起こすのはどうして?

 では、なぜ夏に「胃バテ」は起こりやすいのだろうか。三輪先生は、主な原因として3つの要因を指摘している。

(1)冷たい飲食物のとりすぎによる「胃腸の冷え」

 暑くて食欲がないとついつい冷たい飲み物や食べ物を摂りすぎてしまいがちだが、これが胃腸を直接冷やし、消化機能の低下を招く一因となるという。

(2)”寒暖差”による「自律神経の乱れ」

寒暖差による自律神経の乱れは胃にも負担をかける(※写真はイメージです)
寒暖差による自律神経の乱れは胃にも負担をかける(※写真はイメージです)
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 夏は、暑い屋外と冷房の効いた室内を頻繁に行き来するため、その”寒暖差”が身体に負担をかけるという。また、高温多湿な環境で、寝苦しい夜が続くと睡眠不足やストレスが増大し、自律神経のバランスが乱れやすくなる。

「胃の運動は自律神経によってコントロールされているため、その乱れは胃の機能低下に直結します」(同)

 エアコンを使いつつ、外との寒暖差を避けることは難しい。これが夏の胃バテが厄介な原因のひとつだろう。

(3)血液中のナトリウム不足

 夏場は大量に汗をかくことで、体内の水分と共にナトリウムも失われる。そこに水やお茶などの水分だけを大量に補給すると、血液中のナトリウム濃度が薄まってしまう。これにより、だるさや食欲不振、胃の不調といった症状が引き起こされることがある。

「塩分の摂りすぎを気にされる方も多いのですが、汗をかきすぎた時にはただの水やお茶ではなく、スポーツドリンクなどを選ぶことも大事です」(同)

 これらの要因が複合的に絡み合うことで、夏特有の「胃バテ」が引き起こされるのである。

女性の方がなりやすい! 特に40代以降は要注意

 三輪先生によると、「胃バテ」には性別や年齢によるなりやすさの傾向もあるという。

「女性は、男性に比べて筋肉量が少なく体が冷えやすいため、自律神経が乱れやすい傾向にあります。冷えは自律神経の乱れを誘発し、結果として胃バテにつながりやすくなります」(同)

 また、40代以降も注意が必要な年代だ。「加齢と共に自律神経の働きは自然と衰えていくため、若い頃と比べて胃もたれなどを起こすようになったら、胃バテに注意が必要です」と三輪先生は語る。