そしてアイドル活動を続けていく中で、松本に大きな影響を与えたのが、志村けんさんとの出会いだった。
24歳で結婚、芸能活動を休止
「自分の名前をみなさんに覚えていただくきっかけとして、『志村けんのだいじょうぶだぁ』や『ドリフ大爆笑』のコントに出させていただいたのが大きかったです。
私自身、それまで人を笑わせるということがそんなになかったんですけど、あの番組では本当に思いっきりやらせていただき、“ダメ”ということもなく、自分に足りないものをもらえたと思っています。私としても挑戦で、怖いという思いもあったんですけど、あの経験は貴重なものになりました」
24歳で結婚、芸能活動を休止したが、未練はなかった?
「あのときは、世間的にアイドルが結婚したら仕事を続けていけるような状況でもなかったし、特に野球選手と結婚したら仕事をしてはいけない、みたいな雰囲気もあったと思います。自分としても結婚したら仕事と生活を両立できないと思っていたので、やり残した、という思いはなかったですね」
現在は子育て支援員の資格を取り、保育園で保育士の補助をしつつ、芸能活動を再開した松本。
「子どもと接すると勇気やパワーをもらえるというか。自分の子どもたちが大きくなって、やり残したことがあるんじゃないか、とかもうちょっと子育てに関わってみたいなという思いがあったので、資格を取ったんです。いろいろ大変ですけど、やりがいがあって楽しいですよ。
芸能活動は、正直不安だらけです(笑)。でも、10月のイベントで網浜さんと芳本さんと同じステージに立てるというのは、共に時代を生きてきた、うれしさや悔しさといったいろいろな“思い”を共有できる3人だからなんでしょうね」
当時もライバルというより、同じ目的に向かって頑張っている仲間、という気持ちが強かったという。
「賞レースのとき、私が獲れなくても、悔しいというより“誰々が獲った”ということで自分のことのようにうれしくて泣いてしまったりとか。そんな時代を過ごした2人とまた一緒に何かをできるのは本当に楽しみ。ただ、ブランクが大きいので、とにかく楽しもうと思っています。これからもできることを、ひとつずつやっていけたらいいですね」
取材・文/蒔田 稔
『40th Anniversary LIVE!!! ID85』開催 '85年デビュー組の芳本、網浜、松本の3人が“あのころ”に戻ってステージに。10月9日、10日、東京の『座・高円寺2』にて。詳細はTEL:03-4500-0753(10時~19時)