1985年7月18日の音楽番組『ザ・ベストテン』(TBS系)。
「今週のスポットライト」に登場すると話題沸騰、その翌週から『C』は9週連続ランクイン。
一躍、美穂さんは「レコード大賞新人賞」のダークホースに名乗りを上げることになる。
その一方で12月に公開される映画『ビー・バップ・ハイスクール』では、不良少女との決別宣言を行った。
「『ビー・バップ~』の役が来たとき、『毎度~』ののどか役と重なるものがありました。『毎度~』『夏・体験物語』と不良少女役が2作続き、このままでは“不良少女”のイメージが定着してしまう。その前に脱皮させたほうがいい。
そう考えて制作サイドに直談判。こうして生まれたのが不良グループの憧れるセーラー服が似合うマドンナ役でした」
初出演した映画が興行収入14億円を超える大ヒットを記録。
祝賀パーティーを抜け出して向かった先
映画女優としても成功を収めると、美穂さんは最大のライバル、本田美奈子さんを破って「レコード大賞最優秀新人賞」も手にした。
デビューの年を締めくくる大みそか。祝賀パーティーを30分ほどで抜け出して、美穂さんは心許せるファンクラブのメンバーたちが待つ原宿の事務所に戻ってきた。
「最優秀新人賞受賞と新年のお祝いをファンのみんなとやりたくて、美穂がひそかに声をかけていました。“美穂コール”が起こる中、何度も手を振り笑顔を振りまく美穂の顔を私は忘れることができません」