「今回の朝ドラは、やなせ(たかし)先生が生きていたら、どんなにお喜びかなと思っていたんです。そんな中、私にオファーがあったことは本当にうれしかったです。薪鉄子という役と聞いて最初、(『アンパンマン』のキャラクターの)“てっかのマキちゃん”を想像しました。正義を貫いていくカッコいい女性で、非常に演じがいがあるなという印象でした」
アニメ『それいけ!アンパンマン』(日本テレビ系)でアンパンマンの声優を務め、作者のやなせさんとも親交の深かった戸田恵子が、『あんぱん』に女性代議士の薪鉄子役で出演。ヒロイン・のぶ(今田美桜)の人生に大きな影響を与える重要な役柄だ。
p.p1 {margin: 0.0px 0.0px 0.0px 0.0px; font: 10.5px Helvetica} 先生だからこそ『アンパンマン』を描けた
「ドラマが始まって“いつ出るの?”って周りのみなさんが聞いてくるので、発表までは言えないため“出ないですよ”ってずっと答えていたんです。その後、撮影が始まったのですが、台本にも名前は載ってないし、スタジオでも外のモニターには私の映像が流れない。逆に自分でも本当に出ているのかどうか、不安になるくらいでした(笑)。
出演発表後は“頑張ってください”って声をたくさんいただきました。ただ、撮影がすでに終わっていたため、もう頑張りようがなくって(笑)。すべてが不思議な感じでした」
視聴者としても朝の放送が楽しみと話す戸田に、これまでの印象的なシーンを挙げてもらった。
「たくさんありますが、幼少期のころののぶ(永瀬ゆずな)とお父さん(加瀬亮)のシーン。女性の社会進出が難しい時代に、夢に向かって進んでいけという教えをするお父さんとの会話がすごく好きで。あとは、戦時中に嵩(北村匠海)たちが卵を殻ごと食べる場面は衝撃的でした。やなせ先生にとって正義は、ひもじい人に手を差し伸べること。戦争を体験された先生だからこそ『アンパンマン』が描けたと思いますので、あのシーンは印象に残っていますね」