p.p1 {margin: 0.0px 0.0px 0.0px 5.7px; text-align: justify; font: 11.5px Helvetica} 食事療法などで糖尿病を克服
手術は2024年9月に行われ、無事に成功した。
「お腹に穴をあけて行う腹腔鏡手術を受けました。手術は怖かったのですが、一番気がかりだったのは“人工肛門になるかもしれません”と言われたことでした。人工肛門になるかどうかは、手術をしてみないとわからないとのことでしたが、幸いにも人工肛門にはならずに済みました」
ヲタルさんにはもうひとつ、心配なことがあった。
「僕の大腸には腫瘍が2つあり、がんの腫瘍は手術前の内視鏡検査で取ってもらったもの。もう1つ大きい腫瘍があり、手術で取り除きました。摘出した腫瘍は病理検査に回すことになり、先生から“これもがんだったら今後の治療法を考えることになります”と言われました。そのため手術が無事に終わっても不安が残り、死が頭をよぎりました。病理検査の結果、がんではないことがわかってようやくホッとできました」
ヲタルさんは糖尿病と診断されて以来、食事療法と運動療法に取り組んだ。
「プロ野球選手だった佐野慈紀さんは糖尿病の合併症で右腕を切断していますし、プロレスラーの谷津嘉章選手は右足を切断しています。こうしたニュースを見聞きしていましたから、糖尿病は怖い病気だと思いました」

それまでは、夜中に脂っこいものを食べたり、お腹がすくとコンビニのお弁当を2個食べたりと暴飲暴食をしていたという。しかし、糖尿病と診断されてからそれまでの食生活を反省し一変させた。
「食事はまいたけや鶏肉をレモンじょうゆにつけたものにかえました。無糖のヨーグルトに冷凍のブルーベリーを入れて食べることもあります。また、移動の時間を利用して、一日1時間は歩くようにしていました」
こうした生活を続けたところ、半年ほどで糖尿病を克服できたという。
「自分が糖尿病だと知ったときはショックでしたが、糖尿病を機に大腸がんが見つかりましたし、健康を意識した生活を送るようになりました。だから、病気になるのも悪いことだけじゃないなぁと思います。人間、いつ寿命が終わるかわかりませんから、まわりの人に感謝をしながら後悔しない毎日を過ごしていきたいです」

取材・文/熊谷あづさ