悠仁さま、トンボに興味を持ち始めた幼少期

 悠仁さまといえばトンボである。その「原点」といえる写真がある。

 2008年8月、秋篠宮ご一家が、静養のため栃木県にある那須御用邸に滞在した折の写真で、秋篠宮さまが捕まえたトンボを、姉の小室眞子さんが1歳11か月になる悠仁さまに手渡している。この年の11月、秋篠宮さまの誕生日会見に同席した紀子さまが、こんな話をしている。

那須御用邸に滞在中、秋篠宮さまが捕まえたトンボを眞子さんから手渡される悠仁さま
那須御用邸に滞在中、秋篠宮さまが捕まえたトンボを眞子さんから手渡される悠仁さま
【写真】運動会で“綱引き”に参加された小学校2年生の悠仁さま

「夏ごろからでしょうか、庭にいる小さな虫、バッタやカマキリなどを見つけて上手に捕まえて、手で持ったりまた袖に乗せたりしてよく観察しておりました」

 2024年9月、紀子さまが誕生日を迎えた折に宮内庁から発表された文書では、悠仁さまが幼少期からトンボなどの昆虫や植物に興味を持ち、研究を深めていく様子が、母親の視点から、より生き生きと紹介されている。

《小さかった頃、クヌギやコナラの林でカブトムシを探し、その幼虫を育て、烏山椒の葉につくアゲハチョウの幼虫を見つけては観察していました。

 (中略)いつしか、自分の指よりも大きいトンボを手にとり、間近で複眼、翅(はね)や肢(あし)の特徴や、放したトンボの飛び方を観察して『これはなんだろう』『なぜだろう』『どうしてだろう』と昆虫の図鑑で調べるようになりました》

 子どもらしい素朴な疑問や驚きから出発し、失敗を繰り返しながら、悠仁さまが成長する過程が手に取るようによく理解できる。

 2023年、悠仁さまが関わった学術論文「赤坂御用地のトンボ相―多様な環境と人の手による維持管理」が話題となったが、これは、住まいのある赤坂御用地のトンボの多様な生息状況などを粘り強くモニタリング調査し、考察した成果の一つだ。

 このように悠仁さまは、トンボ類の生息環境などに強い関心を持ち、「自然誌」を学ぶため、筑波大学への進学を決めた。1歳後半から現在に至るまで、トンボへの情熱はほぼ一貫している。

 悠仁さまが小学生のころ、私は、秋篠宮さまとこんなやりとりをしたことがある。

─どうして悠仁さまは虫がお好きなのでしょうか?

「なぜ、好きなのか理由はわかりません。子どもは昆虫が好きでしょう」(秋篠宮さま)