「ゆうゆう」「ゆっぴー」と家族から可愛がられて

 2010年春、悠仁さまは、東京都文京区にある3年保育のお茶の水女子大学附属幼稚園に入園した。園庭に出て、虫を探したり、砂遊びをしたり、雨の日は室内で木製の線路をつなげて電車ごっこをするなど、とても活発だった。

 このころ、悠仁さまは家族の間では「ゆうちゃん」、姉の眞子さんや佳子さまからは「ゆっぴー」と呼ばれて可愛がられていた。

 ちなみに、秋篠宮さまは「ゆうゆう」と呼んでいたという。

「かつてはよく怒る父親でございましたけれども、最近はすっかり丸くなっております」。このように眞子さんは記者会見で話したことがあるが、2人の姉との接し方と比べると、秋篠宮さまは悠仁さまをあまり叱らなかったらしい。

 悠仁さまが幼稚園に入園した翌年だったと思う。私は、秋篠宮邸の庭が見える部屋で秋篠宮さまと歓談していた。しばらくすると、紀子さまが悠仁さまを連れて部屋に入ってきた。

 悠仁さまは元気いっぱいだった。イスやテーブルの脇をすり抜けて部屋の中を駆け回り、少しもじっとしていなかった。しかし、秋篠宮さまは、走り回る悠仁さまを目で追うだけで、眞子さんの言葉どおり、少しも叱らなかった。父親の目元はゆるみ、その光景を楽しんでいるようにも見えた。

 ついに紀子さまが抱きとめ、「よおく、考えてみましょうね」と諭した。しかし、悠仁さまは一度はおとなしくなったものの、しばらくするとまた母親の手をすり抜け、室内を走り出した。

「どんなときに、悠仁さまが大きくなったなと感じますか?」。同じころ、私は秋篠宮さまにこう尋ねたことがある。秋篠宮さまからは、笑顔でこんな答えが返ってきた。

「抱っこしたときですね。ずしりと重い手応えを感じた瞬間に、成長したなと感じます」「私は息子の頭やほっぺたをなでるのが、とても好きなんです」

 悠仁さまは、秋篠宮さまが40歳のときに生まれた。それだけに姉たちとは違い、悠仁さまの子育てに余裕を持って臨んでいたと思われる。