都内近郊の至るところに設置されている『きぬた歯科』の看板

 かつて頭の悪い者と容姿の悪い者こそ「東大に行け!」と強い言葉で説いた人気漫画・ドラマがあった。さすればそんな人でも稼げるようになる、と──。

「今はそういう人こそ歯学科に行け、歯医者になれ、と言いたいですね。医師よりも稼げるので」

 そう話すのは、きぬた歯科院長のきぬた泰和氏。主に“インプラント”という文字と自身の“顔” がどデカく掲げられた看板で知られる歯科医師だ。

コンビニより多い歯科医院

都内近郊の至るところに設置されている『きぬた歯科』の看板。8月設置の現時点での最新作(首都高3号線)。看板は色落ちなどあれば、都度差し替えを行っている
都内近郊の至るところに設置されている『きぬた歯科』の看板。8月設置の現時点での最新作(首都高3号線)。看板は色落ちなどあれば、都度差し替えを行っている
【写真】日テレの“横やり”で不自然に隠された「きぬた歯科」のロゴ

 統計によると“コンビニより多い”歯科医院だが、'24年の倒産・廃業件数は過去最多。続く'25年上半期はそれを超えるペースという信用調査会社の発表もあり、“斜陽産業”だと報じるメディアも。そんな状況下にあって、なぜ東大ではなく歯科医(歯科大学)をすすめるのか。

「ビジネス視点で客観的に見たときに、歯医者が良いなという時代が来たということです。自分の儲けのために自分たちの業界が盛り上がっていることをSNSで喧伝する人もいますが、自分はもう“逃げ切った”立場で、今日仕事を辞めたっていいくらい。

 別に今後の歯科医師業界がどうなろうと知ったことではないですが、客観的に見て良くなっているので。Xなどでこういうことを言うと“歯科医の地位向上のためにやってくれている”とか言ってくれる人がいますが、そういうことでは全然ない。でもオススメしますよ(笑)