成年会見でのぞかせた欠かさない思いやり
「成年式の中心儀式である『加冠の儀』は宮殿で行われていますが、成年式令では『賢所大前の儀』という名称で宮中三殿の賢所で行うことになっています。詳細はわかりませんが、戦後、政教分離の原則があり、成年式という公的な儀式を賢所で行うのは好ましくないという判断だったのではないでしょうか。
政教分離を踏まえた変更はほかにもありますが、相当の理由がない限り、古くから伝わる儀式は変更しないほうが良いでしょう」(前出・山下さん)
皇室に古くから伝わる成人式を無事に終えて、成年皇族となられた悠仁さま。未来の天皇としての一歩を着実に踏み出された─。
2006年、「悠仁」というお名前は“ゆったりとした気持ちで、長く久しく人生を歩んでほしい”というご両親の願いのもと、命名された。その由来どおり、悠仁さまは、信念を強く持ちつつ、穏やかに、そしてマイペースに人生の歩みを進めてこられた。
「悠仁さまのご趣味といえば、トンボや蜂などの昆虫を観察したり研究すること。幼少期はお住まいでの昆虫観察にのめり込んでいて“気がついたら日が暮れている”ということもしばしばおありでした。
生物へのご興味を時間をかけて突き詰め、高校時代はトンボに関する論文を執筆されたほか、昆虫の国際学会にもご出席。この春に進学された筑波大学でも生物学類に在籍され、研究を続けられています」(前出・皇室担当記者)
今年3月に行われた成年に際しての記者会見では、悠仁さまのおおらかなご性格が垣間見えたという。
「会見では、事前にお伝えしていた質問にお答えいただくだけでなく、当日、記者が気になったことを質問する“関連質問”という時間も設けられました。もともと1問までと決められていたのですが、記者からは次々と手があがって。
宮内庁職員が追加の質問を制しようとしたのですが、悠仁さまは挙手している記者を“どうぞ”と指し、質問が尽きるまで回答し、予定時間をオーバーしながらも対応されたのです」(宮内庁関係者)
緊張感のある場での臨機応変さは、常に思いやりを欠かさないご家族の振る舞いを間近でご覧になっていたからかもしれない。成年会見で「上皇ご夫妻や両陛下、ご両親から学ばれていること」を問われた悠仁さまは「常に国民を思い、国民に寄り添う姿なのではないかと思います。出会いを大切にして、人々の幸せを願い、気持ちに寄り添い続けることが重要であると思います」と述べられた。
「こうしたお言葉から、ご家族のお振る舞いを踏襲しようと日々、努力なさっていることが伝わりました」(前出・皇室担当記者、以下同)