“デコバッグトレンド”もラブブ人気の追い風に?

 そして、ラブブ人気の追い風になったと考えられるのが、ここ数年ファッション業界でトレンドとなっている“デコバッグ”だ。

 これは、ミュウミュウやバレンシアガといったハイブランドが、2023年にキーチャームをジャラジャラとバッグに飾りつけるスタイルを発表したことから流行したとみられるトレンド。このような、自分なりにバッグをカスタマイズし、個性を出すというトレンドのなかで、ラブブがバッグチャームとして注目されていったと考えることもできるだろう。

 最近では、キャバ嬢やラウンジ嬢といった “港区系女子”たちの間でも、ハイブランドのバッグにラブブをつけたSNSの投稿などが目立っている。男性の場合は、バッグだけでなく、パンツのベルトを通す部分にラブブをぶら下げたコーデの投稿もみられ、男女問わずファッションアイテムとして取り入れやすいという特徴があるといえる。

 そのほか、ラブブは色の展開が非常に豊富で、ポップな色合いのものから、落ち着いた色合いのものまで揃っているため、自分好みの“推しラブブ”を見つけやすいという特徴もあるだろう。

 また、非公式ではあるが、メルカリなどのフリマサイトでは、クリエイターたちがオリジナルで制作したラブブ専用の衣装なども販売されている。

 このように色や衣装で自分のオリジナリティを追求できることも、ラブブが幅広い層にウケている一因ではないだろうか。

SNS時代に即した販売方法で大バズり

 もう一つ、ラブブにハマる理由として挙げられるのが、開封するまで中身がわからないブラインドボックス形式の販売になっていることだ。この販売方式では、全7種ほどあるなかから自分の“推しラブブ”を一発で当てることは難しく、パックでまとめて購入する人が多い。

 TikTokではラブブのパック開封動画がかなり人気で、海外の動画のなかには2000万回再生を超える投稿もあるほど。シークレット仕様のレアなラブブを当てるまで買い続け、総額50万円を費やしたという投稿者までいる。

 ラブブにここまでハマるワケは、開封するまでのドキドキ感、収集する楽しさ、そしてSNSを通じてシェアする楽しさを味わえることにあるのかもしれない。このようにラブブは、買うだけにとどまらないSNS時代ならではの“体験型”のアイテムだからこそ、ヒットしているのではないだろうか。

(文=瑠璃光丸凪/A4studio)